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第71期王座戦五番勝負第2局

2023年9月12日 (火)

こうべ花時計

03hana01_img_0360(撮影時のデザインは「神戸ジャズ100周年記念」)

1957年、日本で初めて設置された花時計です。計画段階から市民や企業の好意的な声が寄せられ、多額の寄付金が集まったことで、市民が神戸市に寄贈するという形で製作されました。文字盤に色鮮やかな花が植えられ、そのデザインは市民の公募によって定期的に決められます。元は神戸市役所2号館の北側にあり、駅近の待ち合わせスポットとして親しまれてきましたが、2019年に東遊園地の南端に移転しています。
神戸でプロバンドによるジャズが初めて演奏されてから100周年を迎え、9月下旬まではそのデザインで花が植えられる予定です。

03hana02_img_0371(花時計は、ベゴニアなど4色で彩られる)

03hana03_img_0408(六甲山麓から港湾地区まで縦断するフラワーロード。ふと目をやれば花がある)

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(虹)

おやつ

15時、両対局者におやつが用意されました。
注文は、永瀬王座が「アイスカフェオレ」と「オレンジフレッシュジュース」と「グレープフルーツフレッシュジュース」、藤井竜王・名人が「ほうじ茶と栗のロールケーキ」と「アイスティー」。ドリンク類は対局室に、そのほかは対局者用控室にそれぞれ運ばれます。

Img_1681(永瀬王座の注文)

Img_1675(藤井竜王・名人の注文)

(虹)

村山八段の見解

Img_1657(新聞解説の村山八段に、58手目△6四金までの展開について振り返っていただいた)

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「藤井さんがストレートに右玉に組んだのは初めてだと思います。33手目▲5六銀が早いから、というような多少の駆け引きはあったかもしれません。39手目▲4七銀で先手が2手損になり、より右玉にしやすくなりましたね。46手目△6四歩は仕掛けたというより、局面をほぐしたという感じでしょうか。そこから50手目△6四歩▲6七歩と、陣形の隙をなくす渋い展開になりました。52手目△7三金には驚きました。相当珍しく、場合によっては攻めに使おうというもので、決断の一着でした。膠着状態になっています。現局面の△6四金は玉頭が薄くなりそうなのが気になりますが、代えて△6四銀は▲3二角を嫌ったのでしょう。しかしこの形は見たことがなく、果たして堅いのか。どちら持ちかといわれると……(しばし考えたあと)いや、難しいですね。間違いなく長い将棋ではあります」(村山八段)

現地大盤解説会が始まる

Img_1627(14時から大盤解説会が行われている。定員250人は満員御礼だ)

Img_1624(最初に登壇したのは斎藤慎八段。「歴史に残るタイトル戦」と本シリーズを紹介した)

Img_1635(聞き手を務める佐々木女流1級は、タイトル戦の大盤解説会に携わるのが初だという)

Img_1647(同会場では指導対局も行われる。冨田四段は駒落ちについてファンに確認中)

Img_1641(榊女流2級も同時進行で指導対局に。後にメンバーは交代するようだ)

(虹)

熟考後の金上がり

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対局再開から追加で25分考え、藤井竜王・名人が見慣れない手を選びました。継ぎ盤前では斎藤慎八段が関係者向けに解説をしています。
「金を上がって、囲いという概念のない未知の将棋です。おそらく永瀬さんも本命ではなかったのでは。仕掛けの44手目△4二金~△6五歩という組み合わせは、藤井さんが得をしようというものでした。△3二金と戻せば知られる形でした」(斎藤慎八段)

Img_1606(後手の動きについて解説する斎藤慎八段)

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(昼食休憩前と合わせて52分使った一着だ。藤井竜王・名人の構想やいかに)

(虹)

対局再開前後の様子

Img_1538(昼食休憩中の対局室。早めに福崎九段が待機していた)

Img_1540(盤面は少し落ち着きを取り戻してきたが、控室では「千日手」という単語もポツポツと)

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Img_1592(対局再開の定刻を回ったが、藤井竜王・名人が指す気配はない)

(虹)

昼食メニュー

昼食の注文は、永瀬王座が「ビーフカレーライス」と「アイスカフェオレ」と「オレンジフレッシュジュース」と「ウーロン茶」。そこに15時に運ばれる予定だったおやつの「メロンショート」も一緒に出しています。藤井竜王・名人が「神戸ポークと淡路玉葱の味噌炒め御膳」と「ウーロン茶」。

Img_1508(永瀬王座の注文。ドリンクはなんと3杯も)

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Img_1468(メロンショートが添えられた)

Img_1527(神戸ポークと淡路玉葱の味噌炒め)

Img_1534(藤井竜王・名人の注文)

(虹)

昼食休憩

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12時10分、図の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬1時間19分、△藤井1時間50分。対局は13時に再開します。

(虹)

棋士が続々と来訪

Img_1408(斎藤慎太郎八段はすぐに継ぎ盤前へ。西遊棋主催の現地大盤解説会で解説を務める)

※再掲となりますが、現地大盤解説会は事前申込で締切済みです。

Img_1418(向かいには村山八段。ちょうど仕掛けが始まったところで検討にも熱が入る)

Img_1395(こちらは大盤解説の運営で訪れた室田伊緒女流二段。福崎九段と談笑中)

Img_1438(そのあとは、同じく運営で動くという糸谷哲郎八段と打ち合わせへ。佐々木海法女流1級と榊菜吟女流2級は小物の準備などを整えているところ。ふたりは大盤解説の聞き手を務める)

Img_1435(大盤解説担当の冨田誠也四段は、大盤解説用の色紙揮毫中)

Img_1445(同じく森本才跳四段。兵庫県出身の若手棋士で、大盤解説で壇上に立つのは初だ)

Img_1459(東京より勝又清和七段が来訪。文春オンライン上で本局の観戦記を執筆する)

Img_1450(このときは脇九段と話をしていた)

(虹)

神戸市

02kobe01_img_0284(各線三宮駅から南を望む)

対局地である神戸市は、兵庫県で最大の人口を擁する市にして県庁所在地、かつ政令指定都市です。日本三大旅客港のひとつである神戸港は、国内航路や国際貿易の拠点として古くから栄えてきました。
市街地は大阪湾に面し、六甲山脈がすぐ北に広がります。そのためこの地域では、北を「山側」、南を「海側」とも呼びます。1995年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けましたが、都市としての復興を遂げています。各線の三宮駅が起点となり、複数の商店街がつながるようにして大規模な商業エリアを形成。北野町山本通や旧居留地には異国情緒溢れる西洋館が建ち並び、景観を見事に彩ります。

02kobe02_img_0458(駅前から北の様子。「山側」という呼び方のとおり、建物群の背景には山が見える)

02kobe03_img_0445(阪急神戸三宮駅)

02kobe04_img_0281(駅に直結した「EKIZO神戸三宮」。高架下にグルメ街を形成)

神戸市の名物グルメは、神戸牛を使用した各種料理、牛すじとこんにゃくを甘辛炊きした「ぼっかけ」、元町付近(南京町など)に多い中華料理が一例です。またスイーツ類はかなりのクオリティで、その味のみならず店内環境と接客から気品が感じられるオシャレカフェ、純喫茶が多く存在します。
EKIZO神戸三宮のグルメ街は2021年に開業し、主に若者向けの料理店が建ち並びます。

02kobe05_img_0439(高架下グルメ街も「山側」と「海側」がある。ここは後者、よい香りが立ち込めている)

【神戸市ホームページ】
https://www.city.kobe.lg.jp/

(虹)

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