(新聞解説の村山八段に、58手目△6四金までの展開について振り返っていただいた)
「藤井さんがストレートに右玉に組んだのは初めてだと思います。33手目▲5六銀が早いから、というような多少の駆け引きはあったかもしれません。39手目▲4七銀で先手が2手損になり、より右玉にしやすくなりましたね。46手目△6四歩は仕掛けたというより、局面をほぐしたという感じでしょうか。そこから50手目△6四歩▲6七歩と、陣形の隙をなくす渋い展開になりました。52手目△7三金には驚きました。相当珍しく、場合によっては攻めに使おうというもので、決断の一着でした。膠着状態になっています。現局面の△6四金は玉頭が薄くなりそうなのが気になりますが、代えて△6四銀は▲3二角を嫌ったのでしょう。しかしこの形は見たことがなく、果たして堅いのか。どちら持ちかといわれると……(しばし考えたあと)いや、難しいですね。間違いなく長い将棋ではあります」(村山八段)
12時10分、図の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬1時間19分、△藤井1時間50分。対局は13時に再開します。
(虹)
(斎藤慎太郎八段はすぐに継ぎ盤前へ。西遊棋主催の現地大盤解説会で解説を務める)
※再掲となりますが、現地大盤解説会は事前申込で締切済みです。
(向かいには村山八段。ちょうど仕掛けが始まったところで検討にも熱が入る)
(こちらは大盤解説の運営で訪れた室田伊緒女流二段。福崎九段と談笑中)
(そのあとは、同じく運営で動くという糸谷哲郎八段と打ち合わせへ。佐々木海法女流1級と榊菜吟女流2級は小物の準備などを整えているところ。ふたりは大盤解説の聞き手を務める)
(同じく森本才跳四段。兵庫県出身の若手棋士で、大盤解説で壇上に立つのは初だ)
(各線三宮駅から南を望む)
対局地である神戸市は、兵庫県で最大の人口を擁する市にして県庁所在地、かつ政令指定都市です。日本三大旅客港のひとつである神戸港は、国内航路や国際貿易の拠点として古くから栄えてきました。
市街地は大阪湾に面し、六甲山脈がすぐ北に広がります。そのためこの地域では、北を「山側」、南を「海側」とも呼びます。1995年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けましたが、都市としての復興を遂げています。各線の三宮駅が起点となり、複数の商店街がつながるようにして大規模な商業エリアを形成。北野町山本通や旧居留地には異国情緒溢れる西洋館が建ち並び、景観を見事に彩ります。
(駅前から北の様子。「山側」という呼び方のとおり、建物群の背景には山が見える)
(駅に直結した「EKIZO神戸三宮」。高架下にグルメ街を形成)
神戸市の名物グルメは、神戸牛を使用した各種料理、牛すじとこんにゃくを甘辛炊きした「ぼっかけ」、元町付近(南京町など)に多い中華料理が一例です。またスイーツ類はかなりのクオリティで、その味のみならず店内環境と接客から気品が感じられるオシャレカフェ、純喫茶が多く存在します。
EKIZO神戸三宮のグルメ街は2021年に開業し、主に若者向けの料理店が建ち並びます。
(高架下グルメ街も「山側」と「海側」がある。ここは後者、よい香りが立ち込めている)
【神戸市ホームページ】
https://www.city.kobe.lg.jp/
(虹)