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第60期王座戦五番勝負第4局

2012年10月 5日 (金)

本局の棋譜

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(千日手局)

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(指し直し局)

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(陣屋の庭)

本局の中継はこれで終了いたします。
ご観戦誠にありがとうございました。

(八雲)

感想戦

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(八雲)

2012年10月 4日 (木)

終局直後

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(羽生新王座。王座のタイトルは通算20期目)

【羽生新王座インタビュー】

――今日の将棋を振り返って
「千日手局のほうは、ちょっと終盤足りないかと思っていたので、千日手はしょうがないかなと思います。
指し直し局はずっと駒損なので、飛車を取られたあたりは自信がなかったです。そのあともずっとわからなかったですね。かなり際どい局面が続いていたと思います」

――これで王座20期獲得となりました。大山康晴十五世名人の同一タイトル獲得記録(王将20期)と並びました
「積み重ねの形として、そういう大台に乗ったのは嬉しく思っています」

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(初めてタイトルを失冠した渡辺前王座)

【渡辺前王座インタビュー】

――今日の将棋を振り返って
「千日手局のほうは、夕食休憩のときにはっきり悪いと思っていました。最後は一瞬だけ勝ちになったかと思いましたが、△6六銀(下図)がすごい手で、あの局面は千日手なのかなという気がします。
指し直し局はなかなか攻め合いに行けなかったので……難しいところもあったかもしれませんが、終始押されていた将棋だと思います」

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――五番勝負を振り返って
「押されている将棋も多かったので、この結果も仕方ないと思います」

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(感想戦が始まった)

(八雲)

羽生、王座復位を果たす

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第60期王座戦第4局(指し直し局)は、4日2時02分、147手まで羽生二冠の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生4時間59分、△渡辺4時間59分。投了図以下△8四同金は▲同竜△同玉▲7四金△9三玉▲8三金打まで。△9二玉も▲9三金から即詰みがあります。
これで五番勝負は羽生二冠の3勝1敗。前期に渡辺王座に奪われたタイトルを取り返しました。

先手勝勢

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時刻はまもなく2時を回ります。
控え室では、「もういつ投げてもおかしくない」と言われ、モニターに視線が集まっています。
形勢は先手勝勢です。

(八雲)

後手の粘り、先手の手厚さ

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後手玉は馬の土台の上に逃げ込んで簡単には寄らない形。
対して先手は落ち着いて受けに手を戻しました。簡単には終わらない状況ですが、形勢は先手良しと見られています。

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(1時45分頃の控え室)

(八雲)

渡辺王座、踏ん張る

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「先手が押し切ったかと思ったのですが、現局面はかなり難しくなっていると思います。△7九銀で馬を抜く筋(▲同金は△5八飛、▲同玉は△5九飛)は▲9八玉で耐えていると思いますが、△6五桂や△4五馬があって難解です。千日手局のように、詰めろ逃れの詰めろの応酬のような展開になるかもしれません」(行方八段)

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(1時10分頃のモニター画像。両者、前傾姿勢が強くなってきた)

(八雲)

羽生二冠、決めにでる

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「先手は飛車を逃げずに寄せに出ています。そして寄せ切れそうです。渡辺王座は86手目△2七角を打つ時点である程度覚悟していたと思うのですが、どこかに誤算があったのでしょうか。△2七角では△6五桂と勝負するしかなかったと思います。現局面は先手勝勢と言っていいと思います」(行方八段)

90手目△3二玉までの消費時間は▲羽生4時間29分、△渡辺4時間35分。

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(0時45分頃の控え室。息をのんでモニターを見つめている)

(八雲)

羽生二冠、踏み込む

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81手目に羽生二冠は▲5五銀と金を食いちぎって踏み込みました。
「揺さぶるだけ揺さぶって、いよいよ決断しました」と行方八段。

以下△5五同角▲7七角△同角成▲同金寄(右図)と進んでいます。
「△6五桂と跳んでこいと。勝ちにいってますね」(行方八段)

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(0時15分頃の控え室)

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(加藤桃子女流王座も急きょ陣屋に宿泊が決まり、終局まで残ってくれるようだ)

(八雲)

行方八段は先手持ち

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図は0時5分頃の局面。

――以下棋譜コメントより抜粋――
「△2八と(▲同飛は△6六金)と寄れますが、▲1三歩成から殺到されて、玉を下段に落されるのが痛いです。ここ数手で先手が少し指しやすくなったような気がします」(行方八段)

(八雲)

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