本日はご観戦ありがとうございました。第２局もお楽しみに。

（吟）　

（勝った羽生王座は４連覇へ向けて好発進）

（佐藤八段はタイトル初挑戦初白星は２局目以降に）

（渡辺棋王、阿久津八段も感想戦を見つめる。感想戦は23時12分に終了した）

（吟）　

――　一局通しての感想をお願いいたします。

羽生　そうですね。ちょっと変わった出だしだったのですが、仕掛けられて、どのくらい凌げるかというところで、けっこう微妙な局面が続いていたのかなと思います。

――　自信が出てきた局面は？

羽生　▲２一飛と打ったところは調子がいいんじゃないかなと思ったのですが、際どいのでハッキリはよく分かりません。

――　本局を振り返っていただくと。

佐藤　仕掛けてから、ずっと難しい戦いが続いていたと思います。そういった中で、こちらが先に間違えてしまったと。

――　どの辺りでしょうか。

佐藤　調べてみないと分からないのですが、△７一金と寄ったのが、あまりよくなかったかなと思います。

（吟）　

109手まで羽生王座が勝ちました。終局時刻は22時３分、消費時間は▲羽生４時間55分、△佐藤４時間59分。五番勝負は羽生王座が先勝。第２局は９月17日（木）大阪市「ウェスティンホテル大阪」で行われます。

（八雲）

△４八角に対して羽生王座がしっかりした手つきで▲２八玉と上がった局面。▲４二飛△６三玉▲７四銀△５四玉▲２四飛成で合駒請求して先手が勝勢といわれている。
中村太地六段はじっとモニターを見ている。終局近しの雰囲気だ。

（吟）

▲２一飛に後手が△３一歩と受けた局面。図から▲２四桂△５七成銀で▲３二桂成は詰めろになっていない。「これは混戦ですよ」と渡辺棋王。後手が悪いと思われていたが佐藤八段が猛追して形勢が接近している。
△３一歩まで残り時間は▲羽生王座25分、△佐藤八段９分。

（形勢が難しくなればなるほど笑顔がでる。棋士の習性だろうか）

（吟）　

（20時40分の対局室モニター）

図は▲６二歩に△７一金と寄った局面。永瀬六段は▲３六香△３四歩に▲４六馬△２一飛▲２四桂や▲３五香と近づけて打ち△３四歩に▲３六桂の攻め筋を例として挙げてくれた。「いろいろあるので時間を使いたいところですね」と話してくれた。

（吟）　

（控室からの夜景）

（検討に熱が入る佐藤紳哉六段）

（佐藤紳哉六段と継ぎ盤をはさんでいるのは三枚堂達也四段。阿久津八段は中村太地六段の継ぎ盤を見る）

（吟）　

 
控室の検討通りに進んでいる。△６七銀成に「▲５八歩と打ったらどうするのだろう」と阿久津八段。△６六銀不成▲同角△同桂▲４八玉で先手が受け切れそうですが、玉の近くで戦っているので、対局者はまだ怖いでしょうね」と続けてくれた。

（吟）　

図は19時15分の局面。ここで▲５五馬と引く手が考えられる。▲５五馬にモニターを見ていた阿久津八段は「『やるしかない』ということか」とつぶやく。やるしかないとは△７七飛成▲同角△５七銀打とする順。高見五段はこの攻めを細いと見ている。阿久津八段も「先手が受け切れそう」と話す。△５七銀打に▲５九玉△６七銀成に▲５八歩や▲５六馬が具体的に受ける順だ。

（羽生王座は佐藤八段の攻めを余すことができるか）

（吟）