―― 千日手局と指し直し局、それぞれ一局を振り返っていただけますか。
永瀬 そうですね。千日手局は、指してみたい作戦ではあったのですが、指し方がおかしかったのか、千日手が妥当に思えてしまって。作戦がよくなかったか、指し方がよくなかったかなと思います。指し直し局は、その場でいう感じでした。
―― 指し直し局で2枚換えになったあたりは。
永瀬 後手番としては……という言葉が正しいかどうか、わかりませんが。後手番としては仕方がない展開かと思いました。
―― これで、まず1勝ということになりました。次局以降について。
永瀬 千日手局は何か失敗してしまったので、そういった失敗を減らして、棋力向上ができればいいなと思います。
―― 千日手局と指し直し局、それぞれご感想をお願いします。
斎藤 千日手局は、途中、まとめにくいかなと思っていましたが、ギリギリでバランスが取れているんじゃないかと。指し直し局は、ちょっと不用意な将棋になってしまったかなと。序盤でちょっと思うような展開でなかったので、終始、指しにくかったなというところです。粘れる順を探したのですが、なかなか厳しかったです。
―― 序盤の誤算というのは。
斎藤 ▲6六歩を手拍子でやってしまったのが、いちばん反省点だと思います。
―― 第2局以降について。
斎藤 ちょっと指し直し局のような序盤は危険だと思いますので、また研究して、次局以降は修正していきたいと思います。
(吟)
図の局面で斎藤王座が投了しました。終局時刻は21時2分。消費時間は、▲斎藤慎5時間0分、△永瀬4時間53分。永瀬叡王が千日手指し直し局を制し、白星スタートを決めました。第2局は大阪府大阪市「ウェスティンホテル大阪」で行われます。
(紋蛇)
図は▲6一馬と飛車を取った局面。後手の△5七銀が厳しく、勝勢と見られています。
(吟)