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2025年10月28日 (火)

終局直後

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――序盤はどのように見ていたか。
伊藤 ▲8六飛(33手目)とぶつける手を指してみたかったんですけど、手が広い局面が続くのかなと思っていて、その中でも本譜△7三桂(38手目)からかなり激しい展開になって、難しい局面が続いたと感じています。
――中盤は先手が押しているという評判だった。
伊藤 よくわからないまま指していました。▲5四歩(55手目)に手抜いて△9七歩成から攻め合われる変化もわからなかったですし。本譜は▲5三歩(57手目)が入って、少し手段がありそうな気もしたんですが、難しいのかなと感じていました。
――どのあたりで勝ちを意識したか。
伊藤 最後までまったくわかっていなかったんですが……。▲5七銀上(83手目)の局面でかなり怖いですが、具体的にどうされるかわからなかったので、そのあたりはもしかしたら指せていたのかな、という気がします。
――シリーズ全体を振り返って。
伊藤 第1局はあまり内容がよくなかったんですが、そこから徐々に内容をよくしていくことができたのかなと感じています。最後もフルセットになりましたけども、最終局も終盤まで難しい将棋が指せたかなと思うので、充実したシリーズになったかなと思います。
――王座獲得と二冠獲得について。
伊藤 まだまだ実感がわかないところですけども、ここ最近はよい状態で対局に臨むことができたかなと思うので、その中で一つ結果を出すことができてよかったと思います。
――同世代の藤井王座と戦って六冠対二冠になった。
伊藤 藤井さんとのタイトル戦は1年以上間があいていて、どのような戦いができるか不安もあったんですが、結果的に熱戦のよいシリーズにできたのでうれしく思っています。

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――本局を振り返って。
藤井 ▲3七銀(37手目)から▲4六銀(39手目)と出られてこちらが何か動いていかなくてはいけない形になったかなと思ったんですけど、そこでいい手の組み合わせがわからなくて。本譜▲7七桂(51手目)までいくとうまく切り返された気がして、ちょっと苦しい形になってしまったかなと。攻め方で工夫のいるところだったという気がします。
――シリーズ全体を振り返って。
藤井 全体的に終盤戦で競り負ける形になってしまったと思うので、実力不足だったと感じています。
――2度目の失冠になった。
藤井 実力が足りなかったということだと思うので、少しずつ力をつけていくしかないのかなと思います。

(文)

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