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2024年10月 1日 (火)

一夜明け会見

防衛から一夜明けて、再び会見が行われました。
20241001img_2876(再び花束が贈られた)

20241001img_2925(インタビューに答える藤井王座)
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藤井王座のインタビュー
――一夜明けて、シリーズ3連勝の心境は。
藤井 昨日の対局は最終盤まで苦しかったので、防衛を実感できていないところはある。シリーズを通して難しい将棋が多く、充実したと思っている。この経験を今後に生かしていければ。
――角換わりシリーズとなった。事前に想定していたか。
藤井 結果として3局とも角換わりになったが、想定していたわけではなかった。いろいろな可能性があると思っていた。ただ角換わりの中でも、特定の形の中で細かく工夫するというより、それぞれ違った展開になったと思う。
――チェスクロック方式が課題だと仰っていた。苦手意識の克服については。
藤井 昨日の対局は終盤に入る前に時間を使ってしまった。ただシリーズ全体としては時間に余裕を持てたと思う。
――東西の将棋会館が移転する。それについての感慨は。
藤井 どちらの将棋会館でもこれまでかなりの数を対局してきて、いろいろな出来事があった。新会館でもこれまでの将棋会館と同じように、ファンの皆さまに愛される存在になればよいなと思う。
――将棋以外での成長はあったか。
藤井 なかなか明確にこれというのは難しい。運動を意識しているが、具体的な成果はまだ上がっていないと思う。1年後、そこでも成果があったと思えるように取り組んでいければ。
――今年度も後半戦に入る。上半期の感想は。また春夏、秋冬のどちらが好きか。
藤井 突っぱった戦型を試してみた。内容としてよい経験が積めているのかなと感じている。季節は秋冬のほうが過ごしやすくて好き。ただ、これまでの将棋の結果に影響はないと思う。
――藤井先生にとっての秋とは。
藤井 食欲をほどほどにして運動の機会を増やせれば。すぐに竜王戦が開幕するので、まずはそちらで充実した将棋を指せるようにと思っている。

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以上で第72期王座戦五番勝負の中継ブログを終了します。すでに第73期の予選は始まっています。次の挑戦者は誰でしょうか。王座戦の各対局にご注目ください。

(武蔵/書き起こし=虹)

防衛会見

感想戦終了後、藤井王座は防衛会見に臨みました。
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Img_2765(防衛を祝して、花束が贈られた)
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□藤井王座インタビュー

――最終盤を振り返って。
藤井 終盤の入り口あたりでは、少し苦しめの形勢と感じており、秒読みに入ってからは、形勢判断するのは難しかった。△7一桂(120手目)と受けたとき、本譜の▲6三金から▲5四桂(121手目~123手目)が厳しい手順で、足りない形だと感じていた。

――シリーズ全体では3連勝で防衛を決めた。結果を受け止めての感想と、その内容について。
藤井 シリーズ全体を通して、中盤戦の長い将棋になった。判断の難しい局面が続いて、対局してい充実感のあったシリーズだった。

――王座防衛で、すべてのタイトル戦で防衛を果たした。防衛戦の難しさについて。
藤井 防衛については、まったく意識はしていない。前期よりも充実したシリーズにできればという気持ちで指していた。防衛戦は、番勝負開幕に向けてしっかり状態を上げていかなくてはいけない。ただ、シリーズが始まってしまえば、防衛を意識することなく、今期も前期と同じく挑戦する気持ちで指していたといえるかもしれない。

――再び八冠を目指したいという思いはあるか。
藤井 いまの段階ではまったく考えておらず、目の前の一局に全力を尽くしたい。10月からは竜王戦が開幕する。そちらでいい将棋を指せるようにと思っている。

――今シリーズは「指したことのない指し方を試した」との話があった。
藤井 今回のシリーズは、後手番のときに実戦例の多い形から外れて、難しい将棋にできればと考えていた。実際に指してみて収穫もあった。戦型選択としても、いままでより幅を広げられれば、と意識していた。

――△9六香を指すとき、最後の勝負手という意識があったか。
藤井 △9六香では△9一飛と迷っていた。ただ、どちらでも少し足りないと感じていた。最後という意識というよりは、勝負手を探しながら指していた。

――次は竜王戦が控える。挑戦者の佐々木勇気八段に対する、現在の印象について。
藤井 佐々木八段の最近の対局を見ていると、鋭さに加えて手厚さもあって、非常に充実されているという印象がある。大変なシリーズになると思うが、佐々木八段と2日制の対局をするのは初めてで、楽しみな気持ちもある。一手ずつしっかり読みを入れて、充実した内容の将棋が指せるようにと思う。

――ストレート勝ちという結果を見て、自身の手応えは。
藤井 前期と比較すると、内容は改善したところはあった。形勢判断の難しい局面が多く、そういった局面をしっかり考えることができたという点は収穫があった。それと同時に、いまより形勢判断の力を高めていかなくてはいけないとも感じた。

―― ファンの方々に向けて。
藤井 今シリーズは中終盤の形勢判断が難しい将棋が続いた。手応えであったり、課題であったり、色々なものが見つかったと感じる。これから生かしていけるように、引き続き、頑張っていきたい。

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(武蔵)

2024年9月30日 (月)

感想戦

大盤解説会場から戻って、感想戦が始まりました。
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(武蔵)

対局者が大盤解説会に

インタビューのあと、対局者は大盤解説会に向かい、ファンに向けてあいさつをしました。
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Img_2720(どちらの反省を口にした)
Img_2721(終局まで、大勢のお客様が見守った)

(武蔵)

終局直後インタビュー

Img_2697(逆転勝ちを収め、王座初防衛を決めた藤井聡太王座)
□勝った藤井聡太王座のインタビュー

――本局を振り返って。
藤井 ▲9五歩(73手目)を突かれる変化を軽視していて、2一の飛車がなかなか使えない形なので、そのあたりからあまり自信が持てなかった。▲4七角(95手目)まで進むと先手玉が安定して、最後までずっと苦しい局面が続いた。
――形勢逆転を感じたのは。
藤井 △7八銀(148手目)と打ったときに、自玉が詰まなければと思っていた。
―― シリーズ3連勝で防衛を決めた。
藤井 結果を出せたことはうれしく思っている。しかし、本局はかなり苦しい将棋で、今後は内容もより高めていかなくてはと感じた。
――シリーズ全体を振り返ってポイントになったのは。
藤井 シリーズの中であまり指したことのない将棋を試した。判断が難しかったり、印象に残ったりした将棋が多いシリーズだった。

Img_2699(永瀬拓矢九段は最後の落とし穴にはまった)

■敗れた永瀬拓矢九段のインタビュー

――本局を振り返って。
永瀬 △9六香(146手目)に▲9七桂は浮かんでいたが、自玉の詰む詰まないを読むのが遅かった。また、▲5二角成(131手目)では、代えて▲6四香のほうが読みやすかったかもしれない。

――シリーズ全体を振り返って。
永瀬 形勢がよくなったのは本局だけだった。チャンスを多く作れればと思ったが、少なかった。

――今後の抱負について。
永瀬 ゼロから頑張りたい。

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(インタビューの模様)

(武蔵)

藤井聡太王座、初防衛

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第72期王座戦五番勝負第3局▲永瀬拓矢九段-△藤井聡太王座戦は、藤井聡王座の勝ちとなりました。終局時刻は21時0分。消費時間は▲永瀬5時間0分、△藤井聡5時間0分(持ち時間各5時間、チェスクロック使用、切れたら1手60秒未満の着手)。この結果、本シリーズは藤井聡王座の3勝0敗で決着。王座の初防衛を決めました。

(虹)

逆転か

20240930147順調に後手玉を追い詰めていた永瀬九段ですが、上図▲9七歩で逆転したのではないか、との評判です。9筋に歩が立たず、後手玉に詰めろが外れています。実戦は藤井王座が△7八銀と打ち、先手玉に詰めろをかけました。
Img_2607(昨年の王座奪取局と同様に、逆転勝利なるか)

(武蔵)

挑戦者も持ち時間を使いきる

20240930121上図で永瀬九段は、持ち時間をすべてつぎ込み、▲6三金と王手をかけました。
自玉も危険ですが、それよりも先に後手玉の寄せを目指しています。
Img_2617(後手玉の寄せに向かった永瀬九段)

(武蔵)

京都市街を歩く(4)

平安神宮を東に向かうと、いよいよウェスティン都ホテル京都が見えてきます。
0016(南禅寺は、阪田三吉対木村義雄戦の7日間対局が有名)
0017(全長582メートルの世界最長の傾斜鉄道跡。桜の名所としても名高い)
0015(京都の水は、琵琶湖から運ばれる)

以上で、対局場近隣の名所紹介を終わります。
第3局も、いよいよ終盤戦を迎えました。勝負の行方はどうなるでしょうか。

(武蔵)

王座、持ち時間を使いきる

20240930111中盤のねじり合いが続き、形勢は難解と見られています。上図で藤井王座は持ち時間を使いきりました。対して永瀬九段は50分あまりを残し、持ち時間では先手に分がありそうです。
Img_2693(難解な局面を前に、検討陣も頭を悩ます)

(武蔵)

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