15時におやつが出されました。ともにスイーツは「“シマエナガ” フェ デ フォレスティエール」。シマエナガは「雪の妖精」とも呼ばれる、北海道に生息している鳥です。ホテル側の説明によれば「フロマージュブランにサワークリームとイタリアンメレンゲ、生クリームを加えた軽い食感のムースの中に、アプリコットのコンポートとゼリー、バニラムースを閉じ込めました。ホワイトチョコのふわふわ羽毛を身にまとった可愛らしいシマエナガです」とのことです。
飲み物は福間女流王位が「ミルクティー(アイス)」、伊藤沙女流四段が「ミルクティー(ホット)」を頼んでいます。
(人気のシマエナガをモチーフにした限定スイーツ。春らしく「桜」のお菓子が散らしている)
(ホテル内にあるフォトスポット。京王プラザホテル札幌には、シマエナガをモチーフにした商品やコンセプトルームが用意されている)
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(紋蛇)
再開後に▲4五歩と仕掛け、戦いが始まりました。△同歩は☗5四歩☖同歩☗3三角成☖同桂☗8三歩成があります。
△8三同銀は▲6三角が王手飛車、△8三同飛は▲同飛成△同銀に▲6三角や▲8一飛で攻めが続きます。
実戦は、▲4五歩に△6二金で▲6三角の筋を防ぎました。しかし▲4四歩△同銀▲8五桂で先手に勢いが出てきました。
△8五同桂は▲同飛です。次は▲8三歩成△同銀▲8二歩△同飛▲9五桂や、▲3六歩から▲4五歩で銀を取りにいく筋があります。伊藤女流四段は▲8五桂に49分考えたすえに、△6五歩と突きました。攻めを呼び込む手ですが、控室では「伊藤さんだけが試練を迎えている」「振り飛車が理想的な展開」といわれています。
(15時から大盤解説会を担当する、野月八段と久津女流三段。朝から熱心に検討を続けている)
(紋蛇)
12時、図の局面で福間が22分使って昼食休憩に入りました。消費時間は☗福間1時間15分、☖伊藤1時間25分。休憩時間は1時間です。昼食注文は福間女流王位が「煮魚・刺身定食」と「フルーツ盛り合わせ」、「ウーロン茶」。伊藤女流四段が「五目入りチャーハン」と「フルーツ盛り合わせ」、「ウーロン茶」です。
(紋蛇)
△3三角まで、後手は歩得を主張する戦いです。実戦は28分考えて、▲2八玉と穏やかに玉を囲いました。控室では☗5六飛☖8四飛☗8六飛も検討されており、おそらく福間女流王位もその変化を読んでいたと思われます。▲8六飛は△同飛から飛車交換になり、☗同角☖1五歩☗同歩☖1八歩☗同香☖1七歩☗同香☖5五角が一例でした。激しい変化のため、相当に成算がなければ踏み込めない順だったでしょう。
▲2八玉から少し進んで、図は△8四飛と回ったところ。手拍子で▲8七歩と受けては歩切れになり、先手が動きにくくなります。実戦は▲5九飛でした。続いて▲6六角~▲7七桂~▲8四歩~▲8九飛と反発しています。
8筋を逆襲したのが先手の狙いで、手慣れた指し回しです。8三に打つ駒さえ手に入れれば、俗な攻めが見込みます。伊藤女流四段は戦いを避けるために、慎重な指し回しが求められます。
(紋蛇)
初手から▲5六歩△3四歩▲5八飛△1四歩▲1六歩△4二銀▲6八銀の出だしでした。 手元のデータベースを調べてみると、前例は6局あり、後手を持っているのはすべて伊藤女流四段です。そのうち福間女流王位は先手で4局持ち、3勝1敗の成績を収めています。
▲6八銀に対し、伊藤女流四段は△4四歩を4局、△3三角と△8四歩を1局ずつ指しています。本局は△8四歩を採用しました。直近の前例である、昨年12月の第36期女流王位戦挑戦者決定リーグ白組▲小高佐季子女流初段-△伊藤戦(伊藤勝ち)で指した手です。△8四歩以下▲5七銀△8五歩▲7八金△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛の進行でした。
小高女流初段の▲7八金に代えて、▲7六歩も有力だったでしょう。△8八角成なら▲同飛、△4四歩なら▲7七角で飛車先交換を防げます。
本局に話を戻しましょう。▲6八銀以下、▲5五歩△8五歩▲7六歩△8六歩▲同歩△同飛▲7八金と進んでいます。
先手は5筋の位を取ってから、角道を開けました。飛車先交換を防がないのは▲小高-△伊藤沙戦と同じですが、▲7六歩を指しているため飛車先交換から△7六飛を誘発する格好です。控室では「△7六飛▲7七角△7四飛でも先手がどう指すかわからない」といわれていましたが、実戦は▲7八金に△3二金▲4八玉の交換を入れてから△7六飛でした。相振り飛車を含みにしながら対抗形に進んだ展開、「横歩を取りますよ」「取りなさい」の応酬に、控室では「見たことがない」「へぇー」と感心するような声が上がりました。
(紋蛇)