図は10時頃の局面。甲斐女流王位は5筋の歩交換をしました。この手を見た控室の青野照市九段が「おっ」と反応しています。
「ここで△8六歩▲同歩△8八歩は▲9七桂△8九歩成に▲8五飛とぶつける手があって先手がいいですね。といって△5四歩と打つのは、ちょっとくやしい感じです。△6三金と上がって様子を見るのでしょうか。△6三金に▲5九飛で、そこで△8六歩▲同歩△8八歩もありますが、▲2二角成△同玉▲7七桂△8九飛成に▲6五桂でどうか。ちょっと後手が自信がない感じがします。こう考えていくと、5筋の歩交換をしたのはいいタイミングでしたね」(青野九段)
(八雲)
本局は「日本将棋連盟モバイル」のTwitterアカウント(@shogi_mobile)にてTwitter解説を行います。解説者は斎藤慎太郎五段です。
日本将棋連盟モバイルTwitter
解説の内容は、棋譜・コメントにも随時転載いたします。
(八雲)
第25期女流王位戦五番勝負第3局では、現地にて大盤解説会が行われます。入場無料となっておりますので、皆さまお誘いあわせの上、どうぞご来場ください。
日時:5月21日(火)15時開始
会場:のがみプレジデントホテル(福岡県飯塚市新立岩12番37号)
http://www.nogami-p-hotel.jp/
解説:森下卓九段、聞き手:安食総子女流初段
入場料:無料
(八雲)
【対局のみどころ】
森下「3年ぶりに立会を務めます。私は北九州市の出身ですが、なかなか飯塚まで足を伸ばしたことがなくてですね」
安食「何回目なのですか」
森下「物心ついてからでは3年前が初めてでした。北九州から出ることがなく、12歳で奨励会のために東京に行ったこともありました。今回はよろしくお願いします」
「旧伊藤伝右衛門邸は8年も続けてタイトル戦を行われます。これだけ続けてやるのはめったにないことですね」
安食「対局場も素晴らしい場所ですよね」
森下「甲斐さんが昨年までは振り飛車だけだったのですが、最近は居飛車も指されるようになりましてびっくりしますね。やはり芸域を広げようということでしょうか。第2局も相居飛車で驚きました。横歩取りに甲斐さんが誘導しましたが、清水さんが避けて相掛かりにしました。名局でしたね。せめぎ合いの中から自陣に手を戻して陣形を整えたのはなかなかできる技ではありません。振り飛車だった甲斐さんはがぜん居飛車の指し方を取り入れています。明日も相居飛車でしょう。甲斐さん先手なので、清水さんがどうするか。相居飛車は矢倉、角換わり、相掛かり、横歩取りに分かれますが、相掛かりになるのではないかと思います」
安食「清水さんは25期の女流王位戦の中で20期出ています」
森下「困りますよね。一人でそれだけ出られると、他の人が出られないので」
安食「でも、待ちに待ったファンも多いですよね」
森下「そうですね。清水さんは4月からNHKで聞き手をされていますが、とにかく勉強しているそうです。司会の仕方や、対局者について。昔はこう、いまはこうと相当調べている」
安食「身のこなしや対局姿勢も素晴らしいです」
森下「清水さんはお茶を二十数年されていて、所作が板についていますよね。互いに攻めが強いですので、皆さんが見ていて飽きない将棋になると思います。15時から大盤解説会がありますのでよろしくお願いいたします。将棋にかんしてでしたら、ご質問は遠慮なくしてください」
最後は「スマイル」と記念撮影。
以上で前夜祭の模様を終わります。
対局は明日の9時開始です。どうぞお楽しみに。
(書き起こし=銀杏、写真=八雲)