終局直後
【里見女流王位の談話】
――序盤を振り返っていかがでしたか。
「一手一手難しかったのですけど。考えながらという将棋でした」
――▲4五歩(47手目)の仕掛けのあたりはいかがでしたか。
「もう少し早く動く手もあるかと思ったのですけど。(本譜も)意外に後手の対応が難しいのかなと思っていました」
――▲4五飛(51手目)と飛車をさばいたあたりはいかがでしたか。
「攻めがつながるような気はしていたので。際どいながらも、攻めていける展開なので、まずまずかなと思っていました」
――▲2一飛(67手目)と下ろした終盤の入口あたりはいがかでしたか。
「自玉が怖い形ではあるのですけど、駒得が見込める展開なので。やや指せるのかなと思っていました」
―― 一局を振り返っていかがでしょうか。
「一手一手難しい将棋だったのですけど、要所で時間を使うことができたかなと思います」
――第3局に向けて一言お願いいたします。
「集中して頑張りたいと思います」
【伊藤女流四段の談話】
――序盤戦を振り返っていかがでしたか。
「途中まで似たような将棋を指したことがあって。ちょっとこちらの待ち方と言いますか、そのあたりを前例とはちょっと変えて指してみようかなと思っていました」
――駒がぶつかったあたりはいかがでしたか。
「難しいなと思ってやっていたのですけど。あの辺り、何かあったような気もするのですが……というような感じです」
――▲4五飛(51手目)のさばきに、25分考えて△4四歩と辛抱されました。形勢判断としてはいかがでしたか。
「まだ難しいのかな、というような気がしていました」
――終盤の入口あたりはいかがでしたか。
「(65手目)飛車を取り合ったあたりは、たぶんこっちが悪くしている気がしたので。その前に何かあれば、という感じだったと思います」
―― 一局を振り返っていかがでしょうか。
「中盤がかなり難しい将棋だったと思います。何かあったのかなという気もするのですが。勝負どころでたぶんミスをしたので悪くしてしまったのかなと思っています」
――第3局に向けて一言お願いいたします。
「自分の精一杯を頑張りたいと思います」
(八雲)





後手の勝負手で追い上げムードが漂ったところで、里見女流王位が▲7四歩△同銀▲7五歩△同銀▲7四桂と猛然と反撃に出ました。そこから△9二玉に▲2三歩(図)が視野の広い好手。△2三同飛には▲3三桂成が必殺技になります。後手の追い上げを、里見女流王位が突き放しにかかっています。
苦しい局面で長考した伊藤女流四段が選んだのは、図の△7五歩でした。2~3筋方面の戦いで負った不利を、玉側の戦いで取り戻そうとする勝負手です。図から8手進んだのが下図の局面です。
▲2一飛と角取りを打たれているものの、玉側の戦いでは後手が主導権を握っています。伊藤女流四段が勝負手を通して、少し追い上げた印象です。
図の局面で伊藤女流四段が長考しています。次に▲2五歩の取り込みが厳しく、△3四歩も▲2五歩△3五歩▲2四歩の取り合いで、▲2三歩成や▲4四歩の狙いが残って後手がはっきり苦しくなります。ここは何か辛抱する順をひねり出さないと、形勢の差が広がってしまいそう。伊藤女流四段が苦境に立たされています。
















昼食休憩明け、里見女流王位は4分使って▲4五歩△同歩▲4九飛と動きました。対して伊藤女流四段は△3五歩と桂頭を目指して反撃に出ています。△3五歩について野月八段は「少し不安があるかもしれません。▲4五飛△3六歩▲2六飛とぶつける筋も相当です。以下△2四歩▲3五飛△3七歩成には▲4四歩で先手もやれそうな展開です」と見ています。
