前夜祭 第2局の見どころ
(両対局者が退室して野月七段と久津女流初段が明日の対局の見どころを語る)
野月 明日の対局の前に、十勝川温泉での女流王位戦なんですが、19年前の対局で私記録係をしていまして。よく覚えていまして、そこに今こうして立会人として来られるというのは本当に幸せだなと思います。
久津 そのときの相手は誰だったんですか?
野月 矢内(理絵子)さんで、矢内さんが高校生で初めてタイトル戦に挑戦したときの対局だったんですね。初めての挑戦だったので清水さんが完勝したんですが、よくよく記憶に残っています。明日の二人ですが、同じ女流棋士としてどうですか。
久津 清水さんの将棋は本当に粘り強くて、悪くなっても粘って粘って勝つという将棋です。甲斐さんは受けがうまいなと、ぽっきり折れない将棋かなと思います。
野月 二人ともよくなったときの指し方も非常にうまくて、形勢はよくなることもあれば悪くなることもあるんですが、どちらでも簡単に土俵を割らずに、最後まで勝ちたいという気持ちが伝わる将棋ですよね。第1局は千日手になりまして、指し直しも大熱戦で、最後までどちらが勝つかわからない将棋でした。明日も大盤解説を担当するのですが、できましたら女流王位戦史上に残る大熱戦になってほしいなと思います。戦型は基本、甲斐さんは振り飛車党で、たまに居飛車もやります。清水さんはどちらかというと居飛車党で。ですので甲斐さんが振り飛車にして、清水さんが居飛車にして戦うのかなと思います。最新形の細かいところまで研究していますので、序盤は研究の勝負ですが、中盤はねじり合いが見たいですよね。明日は解説会も来ますので、よろしくお願いします。