2手目△3二飛戦法の参考棋譜を紹介します。
2010年12月15日
第22期女流王位戦 挑戦者決定リーグ白組
先手:鈴木環那女流初段
後手:里見香奈女流三冠
▲7六歩 △3二飛 ▲2六歩 △6二玉 ▲2五歩 △3四歩
▲4八銀 △7二玉 ▲6八玉 △3五歩 ▲7八玉 △8二玉
▲4六歩 △7二銀 ▲4七銀 △3四飛 ▲5八金右 △9四歩
▲9六歩 △7四飛 ▲2二角成 △同 銀 ▲7七玉 △3二金
▲7八銀 △3三銀 ▲6六歩 △2四歩 ▲同 歩 △同 飛
▲2五歩 △2二飛 ▲3六歩 △3四銀 ▲2四歩 △1四角
▲5六角 △2五銀 ▲2三歩成 △同 角 ▲2五飛 △5六角
▲2二飛成 △7八角成 ▲同 玉 △2二金 ▲2八飛 △2六歩
▲同 飛 △2五歩 ▲2八飛 △3六歩 ▲5六銀 △3九飛
▲2五飛 △2四歩 ▲同 飛 △8八銀 ▲5九銀 △8九銀不成
▲6七玉 △3三角 ▲2五飛 △5四桂 ▲5五銀 △3七歩成
▲8六角 △4七と ▲同 金 △3四飛成 ▲2八飛 △5五角
▲5六金 △3三角 ▲3七歩 △4七銀 ▲6五金 △3五龍
▲9七香 △6四歩 ▲同 金 △4六龍 ▲6五金 △6六角
▲6八銀 △2七歩 ▲同 飛 △5六銀成 ▲同 歩 △4七龍
▲5七銀打 △同角成 ▲同 銀 △6六歩 ▲同 金 △7八銀打
▲同 金 △同銀不成 ▲同 玉 △5七龍 ▲6五金 △8九銀
まで、後手の勝ち
(文)
対局開始後、清水女流六段の初手▲7六歩が着手されたのちに報道陣が退室。ほどなく控室のモニタに2手目△3二飛が映し出された。まっしぐらに三間飛車に振る。歩をまったく突かない陣形は異様にも見えるが、現在ではすでにひとつの戦法として確立されている。初手▲7六歩に対し後手番で確実に石田流を用いるための趣向で、今泉健司三段(当時)創案による戦法だ。第35回将棋大賞では升田幸三賞を受賞している(奨励会員の受賞は初)。当時今泉さんは三段リーグ編入試験に合格し、四段を目指し三段リーグを戦っていた。2手目△3二飛はさまざまな棋士によって指されており、現在までに公式戦では57局を数えている。
2筋が受けにくいように思えるが、ここから▲2六歩△6二玉▲2五歩には△3四歩(参考図)で対抗する。
参考図で▲2四歩△同歩▲同飛は△8八角成▲同銀△3三角の両取り。また▲2二角成△同銀▲6五角は△7四角で受かっている。そもそもこの指し方が注目されたのは、▲7六歩△3四歩▲2六歩△3五歩▲5六歩(▲6八玉)の「石田流封じ」があったから。平たい陣形の中で飛角がぴったりくっつく形は視覚的にもおもしろく、ユニークな戦法だ。
(文)
女流王位戦第3局の大盤解説会と指導対局を行いますので、是非ご参加ください。
■指導対局
日時:6月15日(水)午前10時受付、10時半指導開始~12時頃終了
会場:のがみプレジデントホテル
参加費:無料
指導棋士:森下卓九段、村田智穂女流二段
■大盤解説会
日時:6月15日(水)午後3時開始~終局まで
※途中、次の一手クイズを出題
会場:のがみプレジデントホテル
参加費:無料
解説:森下卓九段
聞き手:村田智穂女流二段
(文)
清水さんが苦しい戦いになっていますが、名人戦で森内さんが
3連勝、さすがの羽生名人も……と思われていたのですが、ここ
で踏ん張って力を出しましたね(3勝を返し3勝3敗の5分に)。清
水さんも明日は意地を見せてくれるのではないかなと思います。
清水さんは昔からしっていますが、初めて会ったころから変わら
ないというか、当時よりスマートになりましたね(森下九段)。
初めて清水さんを見た時、オーラがあるというか、少し近づき難い
というか。ただ話すと凄く気さくなんです。(村田女流二段)
甲斐さんもこないだ上田初美さんにマイナビ女子オープンで不覚
の3連敗を喫して、今回の女流王位戦は3連勝して、その鬱憤
(うっぷん)を晴らしたいところではないかと思います。清水さんの
意地か甲斐さんのタイトルに対する執着心か。熱いぶつかりあい
になると思います。(森下九段)
(吟)