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2011年6月

2011年6月15日 (水)

森下九段、升田式石田流を語る

「升田式石田流はですね、升田先生の本で読んだことがあるんですが、角を換えて△2二飛とぶつける筋は驚きましたね。こんな手があるのかと。とても感動したのを覚えています」(森下九段)

森下九段の言う「△2二飛」とはおおよそ次の図のこと。

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ここで▲2三歩は△1二飛▲2二角△3二金▲3一角成△同金▲2二銀△5五角▲3一銀不成△3三角打がひとつの定跡で、後手よし。端的に言えば、先手からの単純な突破は成功しないということだ。この指し方を見出したのが、「新手一生」を掲げた升田幸三実力制第四代名人だ。この筋が発見されたことで、飛車先を受けない石田流の可能性が大きく広がった。

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(大盤解説を担当する二人。村田女流二段、森下九段)

(文)

参考棋譜

2手目△3二飛戦法の参考棋譜を紹介します。

2010年12月15日
第22期女流王位戦 挑戦者決定リーグ白組
先手:鈴木環那女流初段
後手:里見香奈女流三冠
▲7六歩 △3二飛 ▲2六歩 △6二玉 ▲2五歩 △3四歩
▲4八銀 △7二玉 ▲6八玉 △3五歩 ▲7八玉 △8二玉
▲4六歩 △7二銀 ▲4七銀 △3四飛 ▲5八金右 △9四歩
▲9六歩 △7四飛 ▲2二角成 △同 銀 ▲7七玉 △3二金
▲7八銀 △3三銀 ▲6六歩 △2四歩 ▲同 歩 △同 飛
▲2五歩 △2二飛 ▲3六歩 △3四銀 ▲2四歩 △1四角
▲5六角 △2五銀 ▲2三歩成 △同 角 ▲2五飛 △5六角
▲2二飛成 △7八角成 ▲同 玉 △2二金 ▲2八飛 △2六歩
▲同 飛 △2五歩 ▲2八飛 △3六歩 ▲5六銀 △3九飛
▲2五飛 △2四歩 ▲同 飛 △8八銀 ▲5九銀 △8九銀不成
▲6七玉 △3三角 ▲2五飛 △5四桂 ▲5五銀 △3七歩成
▲8六角 △4七と ▲同 金 △3四飛成 ▲2八飛 △5五角
▲5六金 △3三角 ▲3七歩 △4七銀 ▲6五金 △3五龍
▲9七香 △6四歩 ▲同 金 △4六龍 ▲6五金 △6六角
▲6八銀 △2七歩 ▲同 飛 △5六銀成 ▲同 歩 △4七龍
▲5七銀打 △同角成 ▲同 銀 △6六歩 ▲同 金 △7八銀打
▲同 金 △同銀不成 ▲同 玉 △5七龍 ▲6五金 △8九銀
まで、後手の勝ち

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(文)

甲斐女流王位の作戦は2手目△3二飛

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対局開始後、清水女流六段の初手▲7六歩が着手されたのちに報道陣が退室。ほどなく控室のモニタに2手目△3二飛が映し出された。まっしぐらに三間飛車に振る。歩をまったく突かない陣形は異様にも見えるが、現在ではすでにひとつの戦法として確立されている。初手▲7六歩に対し後手番で確実に石田流を用いるための趣向で、今泉健司三段(当時)創案による戦法だ。第35回将棋大賞では升田幸三賞を受賞している(奨励会員の受賞は初)。当時今泉さんは三段リーグ編入試験に合格し、四段を目指し三段リーグを戦っていた。2手目△3二飛はさまざまな棋士によって指されており、現在までに公式戦では57局を数えている。

2筋が受けにくいように思えるが、ここから▲2六歩△6二玉▲2五歩には△3四歩(参考図)で対抗する。

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参考図で▲2四歩△同歩▲同飛は△8八角成▲同銀△3三角の両取り。また▲2二角成△同銀▲6五角は△7四角で受かっている。そもそもこの指し方が注目されたのは、▲7六歩△3四歩▲2六歩△3五歩▲5六歩(▲6八玉)の「石田流封じ」があったから。平たい陣形の中で飛角がぴったりくっつく形は視覚的にもおもしろく、ユニークな戦法だ。

(文)

対局開始

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(文)

入室

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(文)

棋譜解説チャットは片上大輔六段

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「先後・立場こそ違いますが、昨年と同じく甲斐さんの2連勝で九州にやってきました。戦型は鉄板で中飛車です」

(文)

初防衛を懸けて、第3局は本日9時より開始

甲斐女流王位の2連勝で迎えた第3局は、福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」で行われる。甲斐女流王位の初防衛成るか、それとも清水女流六段の巻き返しが始まるのか。対局は6月15日9時より開始される。

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(対局場となる「旧伊藤伝右衛門邸」)

(文)

2011年6月14日 (火)

大盤解説会のお知らせ

女流王位戦第3局の大盤解説会と指導対局を行いますので、是非ご参加ください。

■指導対局
日時:6月15日(水)午前10時受付、10時半指導開始~12時頃終了
会場:のがみプレジデントホテル
参加費:無料
指導棋士:森下卓九段、村田智穂女流二段

■大盤解説会
日時:6月15日(水)午後3時開始~終局まで
※途中、次の一手クイズを出題
会場:のがみプレジデントホテル
参加費:無料
解説:森下卓九段
聞き手:村田智穂女流二段

(文)

続・検分

前夜祭の後、対局場で調光の確認が行われた。

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(使用される駒は美水作の盛上駒。書体は巻菱湖)

(文)

明日の見所

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清水さんが苦しい戦いになっていますが、名人戦で森内さんが
3連勝、さすがの羽生名人も……と思われていたのですが、ここ
で踏ん張って力を出しましたね(3勝を返し3勝3敗の5分に)。清
水さんも明日は意地を見せてくれるのではないかなと思います。
清水さんは昔からしっていますが、初めて会ったころから変わら
ないというか、当時よりスマートになりましたね(森下九段)。

初めて清水さんを見た時、オーラがあるというか、少し近づき難い
というか。ただ話すと凄く気さくなんです。(村田女流二段)

甲斐さんもこないだ上田初美さんにマイナビ女子オープンで不覚
の3連敗を喫して、今回の女流王位戦は3連勝して、その鬱憤
(うっぷん)を晴らしたいところではないかと思います。清水さんの
意地か甲斐さんのタイトルに対する執着心か。熱いぶつかりあい
になると思います。(森下九段)

(吟)

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