終局直後
■福間香奈女流王位へのインタビュー
── 昼食休憩の前後はどのように局面を感じていましたか。
福間 こちらがちょっと愚形で、変化がいくつかあって難しいと思っていました。
── 挑戦者の攻めを受ける中盤戦でした。
福間 ちょっとほかの順を考えていたので。本譜は自陣に角を1枚投入して、端攻めが厳しいのかなと思っていたのですが、何かあると一気に駄目になってしまいそうで、神経を使いながら指していました。
── ▲1九香(73手目)△7五歩のあと、先手が攻める展開になりました。
福間 端攻めはできましたが、こちらも薄い形なので、一手一手考えながら慎重に指していました。
── 歩を駆使して攻めの形を作っていきました。
福間 △7五歩を指されると、こちらもゆっくりはできないので、攻め合いでどうかなと思っていました。
── 本局を振り返って。
福間 昼食休憩の辺りは難しくて、読みきれていたわけではないのですが、それなりに一手一手考えて指せたかなと思います。
── シリーズを振り返って。
福間 第1局、第2局とも力戦で難しい将棋だったのですが、4時間という持ち時間を自分なりに要所で使えていたかなと思います。
■加藤桃子女流四段へのインタビュー
── △8八歩成(52手目)は1時間32分の大長考でした。この辺りの形勢判断を教えてください。
加藤 ▲7九角(51手目)と引かれて思い描いていた図にならなかったので。すでに苦しいまであるかなと思って、勝負になる順をと思っていたのですが、所々で読みにない手を指されてしまって。多分、形勢が悪いのでひどい将棋を指してしまったなという感じでした。
── 8筋は破って1筋の端攻めを食らう展開でしたが。
加藤 正直なところ(59手目▲7九角打に代えて)▲7九銀だと思っていて、本譜は角だったので、何かあるかなと思ったのですが見つけることができず、そもそも形勢が悪いかもしれなくて、受け止め方を色々と間違っていたように思います。
── △7五歩(74手目)のあと、相手の攻めを受ける展開になりました。
加藤 あそこはもう全然駄目だと思っていて、的確に△7五歩をとがめられてしまったと思います。
── 一局を振り返って。
加藤 序盤が不満なので、準備段階から甘かったと思います。
── シリーズを振り返って。
加藤 まず、第4局がなくて姫路の方に申し訳ない気持ちがあります。対局者として初めていく地が多く、女流王位戦ならではのストップウオッチ4時間という長い持ち時間で指せたことはよかったですが、ちょっと不甲斐ない将棋ばかりでした。その中でも第2局は、まだ救いようがある内容だったかもしれませんが、最後は残念だったので、全体的に課題が残ってしまったと思います。
(夏芽)