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2011年6月15日 (水)

甲斐女流王位の作戦は2手目△3二飛

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対局開始後、清水女流六段の初手▲7六歩が着手されたのちに報道陣が退室。ほどなく控室のモニタに2手目△3二飛が映し出された。まっしぐらに三間飛車に振る。歩をまったく突かない陣形は異様にも見えるが、現在ではすでにひとつの戦法として確立されている。初手▲7六歩に対し後手番で確実に石田流を用いるための趣向で、今泉健司三段(当時)創案による戦法だ。第35回将棋大賞では升田幸三賞を受賞している(奨励会員の受賞は初)。当時今泉さんは三段リーグ編入試験に合格し、四段を目指し三段リーグを戦っていた。2手目△3二飛はさまざまな棋士によって指されており、現在までに公式戦では57局を数えている。

2筋が受けにくいように思えるが、ここから▲2六歩△6二玉▲2五歩には△3四歩(参考図)で対抗する。

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参考図で▲2四歩△同歩▲同飛は△8八角成▲同銀△3三角の両取り。また▲2二角成△同銀▲6五角は△7四角で受かっている。そもそもこの指し方が注目されたのは、▲7六歩△3四歩▲2六歩△3五歩▲5六歩(▲6八玉)の「石田流封じ」があったから。平たい陣形の中で飛角がぴったりくっつく形は視覚的にもおもしろく、ユニークな戦法だ。

(文)

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