前夜祭 明日の見どころ
(両対局者が退室すると、棋士が登壇し、明日の見どころを語った)
伊藤「それでは、よろしくお願いいたします。明日の対局の見どころなどを一言うかがえればと思います。まず井上先生、明日の見どころはいかがでしょうか」
井上「明日は永瀬さんが先手番で。羽生さんはいままで棋士になって以来の、ちょっとこうピンチかなと思っているんですけど、ここ一番で羽生さんがどういった戦い方を見せるのかなと」
伊藤「戦型予想はいかがですか」
井上「それはちょっと、立会人に(笑)」
伊藤「はい。それでは久保九段お願いいたします。明日は立会人ですが、いかがでしょうか」
久保「先ほど検分をいたしまして、すごく対局場がいいところで。部屋も広いですし、海も島も見えて、対局者としてはすごくいい、力を出しやすい環境だと思います」
伊藤「では、かなりの熱戦が……」
久保「ええ、いい将棋になるんじゃないでしょうか」
伊藤「戦型予想は……」
久保「戦型は、若い副立会人に(笑)。あの、永瀬さんはタイトル奪取に王手をかけているわけですけど、タイトル奪取の手前というのは凄く緊張すると思うんですよ。私も、いま思い返しても、やっぱりタイトルを取る、取らないという瞬間が一番緊張したなというのがあるので。対局をいままで通りできるかどうかというのが、永瀬さんの中では一番の課題というか、大変なところですね」
(山口恵梨子女流二段と伊藤明日香女流初段は、明日の大盤解説の聞き手を務める。右は記録係の池永三段)
伊藤「ありがとうございます。そして副立会の菅井七段、明日の見どころはいかがですか」
菅井「ちょっとぼく、将棋のことあんまりわからないので(笑)。まあでも、1局目から終盤の競り合いがすごいなというのは感じます。中盤から終盤がすごい面白い将棋なので」
伊藤「戦型予想は副立会人に聞けということでしたので、是非予想をしていただければと」
菅井「これまで矢倉と横歩取りですよね。まあ、まず振り飛車という戦型はしないと思うんです。矢倉なんじゃないですかね」
伊藤「ありがとうございます。続いて勝又先生、よろしくお願いいたします。明日は観戦記ということで、観戦記者として何か心構えなどはあるのですか」
勝又「対局者の表情を見るようにしていて。今日は羽田空港で待ち合わせだったんですけど、追いつめられてる羽生棋聖も、あと1勝の永瀬六段も、自然でいつもと変わらない表情で」
伊藤「では明日は楽しみな対局になりそうですね。先生は何か見どころは」
勝又「といいますか、私明日は観戦記なので、是非とも産経新聞を読んでいただきたいなと(笑)」
(左は産経新聞観戦記を担当する勝又清和六段)
伊藤「続いて、明日記録係を務めます池永三段、明日はいかがですか」
池永「明日は大きな一番なので、自分も勉強して、しっかり努めたいと思います」
伊藤「ありがとうございます。そして明日、大盤解説会の聞き手を務めます山口女流二段、よろしくお願いいたします。隠岐は初めてですか」
山口「はい。教科書で読んだことがあるぐらいで、全然わからなかったんですけど、なんて美味しいところなんだろうと(笑)。貝がすごく美味しくて、3~4個も食べてしまったんですけど」
伊藤「明日の見どころはいかがでしょうか」
山口「永瀬先生はタイトル初獲得がかかっているということで、予想は千日手です(笑)。もう一局指してくれればいいな、というぐらいの長い勝負になりそうでしょう。私たちが1秒でも長く隠岐の島にいられるように願っております」
伊藤「明日は大盤解説会、13時から行われますので、是非そちらにも足をお運びいただければと思います。それでは、本日と明日と2日間どうぞよろしくお願いいたします」