2020年1月
前夜祭(5)
記念品の贈呈のあとは、両対局者による決意表明です。
(渡辺明王将)
「この高槻対局は昨年に続いて2回目ですが、昨年は初めてということもあって、大変盛り上がったと聞いております。対局場の山水館は静かな場所にありまして、自然の音しか聞こえないような、素晴らしい環境を用意してくださいまして、地元の皆さま方には厚く御礼を申し上げます。王将戦は年が明けてすぐに開幕し、将棋界の一年が始まるということで、ファンの皆さまにはお馴染みだと思いますが、先ごろ年が明けたばかりだと思っていたら、もう1月もあと数日しかなく、このようにタイトル戦を戦っておりますと、月日があっという間に流れていくと感じます。明日からの2日間も充実した時間を過ごせるように頑張りたいですし、土日ということで今年も大勢のお客さまが大盤解説会場にお見えになると思いますので、そういった将棋ファンの皆さま方の期待に応えられるような内容の将棋を目指して頑張りたいと思います。よろしくお願いします」
(広瀬章人八段)
「私は、高槻市に来るのは初めてになります。対局場の山水館は先ほど検分をさせてもらい、非常に自然豊かな場所だなと感じました。検分の前には安満遺跡公園に立ち寄らせてもらいまして、子どもの施設が非常に充実していると感じましたし、遺跡公園の辺りは弥生時代から人が住んでいたと聞き、高槻市の原点と言える場所に案内してもらったのかなと思いました。私事ですが先日、誕生日を迎えました。厳しい戦いをしている最中に一年に一回のいい日があったので、第1局は残念ながら敗れてしまったのですが、この誕生日を機に心機一転、巻き返せるように頑張っていきたいと思います。明日からは大盤解説やインターネット中継で注目していただけたらと思います」
(書き起こし=夏芽記者、撮影=武蔵)
前夜祭(4)
関係者の登壇後、両対局者に花束と記念品が贈呈されました。
(左から副立会人の稲葉陽八段、渡辺明王将、立会人の桐山清澄九段、広瀬八段、記録係の古森悠太四段)
(花束を手渡したのは、高槻観光大使の紙森実優さんと下道未羽さん)
(記念品は株式会社タニチのかんてんや半兵衛と服部清水屋のなら漬)
■株式会社タニチ■
住所:大阪府高槻市下田部1-27-3
電話:072-672-1313
http://www.tanichi.jp/
■服部清水屋■
住所:高槻市宮之川原元町12-15
電話:072-687-0539
https://state-liquor-store-113.business.site/
前夜祭(3)
(濱田剛史・高槻市長)
「王将戦は歴史が古く、数々の名局を生み、将棋史に多くのエピソードを残したタイトル戦のひとつ。高槻の地での開催をうれしく思う。第2局が素晴らしい対局になるよう、頑張っていただきたい」
(金田忠行・高槻市観光協会代表理事)
昨年に引き続いて高槻市で王将戦が開催されることになり、将棋に対する注目が高まっている。伝統文化である将棋を魅力のひとつとして次世代に引き継いでいきたい。お二人の熱い戦いを期待している。
(吉田章浩・高槻市議会議長)
「高槻城跡からは江戸時代の将棋駒が多数出土するなど、古くから将棋に縁がある。タイトル戦が行われるのは市民として誇らしい。見る人の記憶に残る対局を期待している」
前夜祭(2)
両対局者の登壇後、関係者によるあいさつが行われました。
(小笠原敦子・毎日新聞社大阪本社副代表)
「将棋界は相変わらず大変な熱気が続いており、その中で令和になって最初の王将戦を迎えました。渡辺明王将は絶好調で、現在勝率は全棋士の中でトップでございます。広瀬八段は、挑戦者になられた一局の粘りが大変素晴らしく、若手もさることながら、この30代、脂の乗りきったおふたりの対局を楽しみにしております」
(山本泰博・スポーツニッポン新聞社取締役大阪本社代表)
「将棋界の8大タイトルの中で、スポーツ紙が主催しているのはスポーツニッポンだけでございまして、楽しく明るい内容を読者にお届けしております。第1局では一夜明けの紙面で、渡辺王将が大きな駒を持ってトライをしている写真を撮らせてもらいました。これからも編集部の要望が激しくなってくると思われますが、それも前期、渡辺王将が就位式で『どんな写真の注文がくるか楽しみにしている』とおっしゃったので、うちの編集部もそれならばと練りに練った企画をぶつけようと思っています。広瀬八段にとっては大きな迷惑だと思いますが(笑)、これもすべて渡辺王将の責任ということでご容赦いただきたいです。そういった楽しい記事の一方で、対局場ではピリピリとした非常に激しい戦いが始まります。その両方をスポーツニッポン紙上でお伝えできればと思います」
(脇謙二・日本将棋連盟専務理事)
「今回の挑戦者決定リーグは、実力者ぞろいで大混戦になるのではないかと予想していたのですが、広瀬八段が5勝1敗という素晴らしい成績で挑戦権を獲得されました。ただ、渡辺王将は現在『勝ち勝ち山』と申しますか絶好調ですので、これからが本当の勝負なのかなと思っております。昨今はAIを活用した研究が主流になっており、将棋の内容もだいぶ変わってきました。私などは平成どころか、いまだに昭和の将棋しか指せないのですが、おふたりは令和の時代にふさわしい、新しい定跡となるような将棋を期待しております」
(書き起こし=夏芽記者、撮影=武蔵)
前夜祭(1)
揮毫
検分
七番勝負第2局は大阪府高槻市「山水館」で開催
渡辺明王将に広瀬章人八段が挑む第69期大阪王将杯王将戦七番勝負は、第1局を渡辺明王将が勝利し、幸先のよいスタートを切りました。第2局は1月25・26日(土・日)、大阪府高槻市「山水館」で行われます。本局の立会人は桐山清澄九段、副立会人は稲葉陽八段、記録係は古森悠太四段がそれぞれ務めます。
本局の先手は広瀬八段で、持ち時間は各8時間。対局開始は9時で、昼食休憩は12時30分から13時30分まで。1日目の18時を回ると手番の対局者が次の一手を封じ、翌日9時から指し継ぎます。
【主催:スポーツニッポン新聞社】
http://www.sponichi.co.jp/
【主催:毎日新聞社】
https://mainichi.jp/
【特別協賛:大阪王将】
https://www.osaka-ohsho.com/
【協賛:囲碁将棋チャンネル】
http://www.igoshogi.net/
インターネット中継は棋譜・コメント入力を夏芽記者が、ブログを武蔵が担当します。よろしくお願いいたします。