第67期王将戦七番勝負第3局 Feed

2018年2月 4日 (日)

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■久保利明王将
――早めに▲9七角(13手目)と上がりましたが、作戦だったのでしょうか。
久保 逆を持って指されたことがあったので、考えて、やってみようかなと思いました。
――攻めさせる展開になりました。
久保 大丈夫かと思いましたが、考えてみると際どい。どこかで妥協しておくしかなかったかもしれないですね。
――封じ手のあたりはいかがでしたか。
久保 あのあたりがいちばんわからなかったですね。
――よくなったと思われたところは。
久保 △4二桂(70手目)に▲同角成が利けばよくなると思いました。
――勝ちと思われたところは。
久保 ▲7三桂成(93手目)のときに自玉に詰みがなければ、と。
――これで2勝1敗、第4局に向けての意気込みをお願いします。
久保 また準備して頑張りたいと思います。

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■豊島将之八段
――かなり早いペースで指されていました。
豊島 いろいろあって、どうやってもいい勝負と思いました。ただ、仕掛けがちょっとまずかったかもしれません。竜ができればまずまずかなと思ったんですが、大局観がよくなかったですね。
――封じ手のあたりは。
豊島 際どい変化が多いんですが、あまりいける感じがしなかったです。
――途中で長考されました。
豊島 どうやっても進めてしまうと負けになってしまう。かなり困っていました。自信が持てる変化がまったくなかったので。△4二桂(70手目)と打ってもきついだろうと思っていました。
――これで1勝2敗ですが、第4局に向けて。
豊島 切り替えてまた頑張りたいと思います。

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久保利明王将に豊島将之八段が挑戦する第67期王将戦七番勝負第3局は、16時45分に97手で久保王将の勝ちとなりました。消費時間は▲久保6時間39分、△豊島7時間15分。本局の結果、七番勝負は久保王将が2勝1敗でリードしました。
第4局は2月19・20日に兵庫県尼崎市「都ホテルニューアルカイック」で行われます。

控室には栃木県在住の松本佳介六段が訪れて木村九段と検討しています。形勢は久保王将が優勢。あとはどう決めるかという段階で、紛れる可能性は低いようです。木村九段は「(久保王将は)まず逃さないと思います」と話しました。

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豊島八段は△4二桂(70手目)に3時間11分使って大長考になりました。ここ10年ほどの王将戦七番勝負で2時間を超えた長考は下記のとおり(左側が先手、肩書は当時)。3時間を超える長考は、2003年の第52期第3局で佐藤康光王将が記録した、55手目▲4五銀の3時間33分以来です。

2017年 第4局 郷田真隆王将 30手目△3三銀  2時間40分
2015年 第6局 郷田真隆九段 57手目▲4六角  2時間26分
2015年 第4局 郷田真隆九段 37手目▲2四歩  2時間4分
2015年 第1局 郷田真隆九段 59手目△5五同銀 2時間25分
2009年 第2局 羽生善治王将 35手目▲1七桂  2時間2分
2005年 第2局 森内俊之王将 34手目△5一角  2時間8分

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15時ごろ、対局室におやつが運ばれました。久保王将はショートケーキ、ホットコーヒー。豊島八段はとちおとめのフレッシュジュース。ショートケーキにはとちおとめが使われています。フレッシュジュースはとちおとめを6個ほど使ったとのこと。

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松尾芭蕉は「奥の細道」の旅の途中で黒羽の地を訪れ、この旅で最も長い14日間逗留しました。大田原市には当時の足跡をしのぶ「芭蕉の館」など、施設や史跡があります。芭蕉の館の近くにある大雄寺は茅葺きの大きな屋根が特徴で、国の重要文化財に指定されています。

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豊島八段は再開の少し前、久保王将は再開して少しあとに対局室に戻りました。しばらくして「豊島先生、残り2時間です」と記録係から声がかかります。しかし、豊島八段はすぐには指しませんでした。長考は苦しいときに出るものといわれていますが、豊島八段は形勢をどう捉えているでしょうか。

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