第67期王将戦七番勝負第3局
ファンの前で振り返る
終局直後
■久保利明王将
――早めに▲9七角(13手目)と上がりましたが、作戦だったのでしょうか。
久保 逆を持って指されたことがあったので、考えて、やってみようかなと思いました。
――攻めさせる展開になりました。
久保 大丈夫かと思いましたが、考えてみると際どい。どこかで妥協しておくしかなかったかもしれないですね。
――封じ手のあたりはいかがでしたか。
久保 あのあたりがいちばんわからなかったですね。
――よくなったと思われたところは。
久保 △4二桂(70手目)に▲同角成が利けばよくなると思いました。
――勝ちと思われたところは。
久保 ▲7三桂成(93手目)のときに自玉に詰みがなければ、と。
――これで2勝1敗、第4局に向けての意気込みをお願いします。
久保 また準備して頑張りたいと思います。
■豊島将之八段
――かなり早いペースで指されていました。
豊島 いろいろあって、どうやってもいい勝負と思いました。ただ、仕掛けがちょっとまずかったかもしれません。竜ができればまずまずかなと思ったんですが、大局観がよくなかったですね。
――封じ手のあたりは。
豊島 際どい変化が多いんですが、あまりいける感じがしなかったです。
――途中で長考されました。
豊島 どうやっても進めてしまうと負けになってしまう。かなり困っていました。自信が持てる変化がまったくなかったので。△4二桂(70手目)と打ってもきついだろうと思っていました。
――これで1勝2敗ですが、第4局に向けて。
豊島 切り替えてまた頑張りたいと思います。
久保王将が2勝目を挙げる
久保利明王将に豊島将之八段が挑戦する第67期王将戦七番勝負第3局は、16時45分に97手で久保王将の勝ちとなりました。消費時間は▲久保6時間39分、△豊島7時間15分。本局の結果、七番勝負は久保王将が2勝1敗でリードしました。
第4局は2月19・20日に兵庫県尼崎市「都ホテルニューアルカイック」で行われます。
久保王将が優勢に
豊島八段の大長考
豊島八段は△4二桂(70手目)に3時間11分使って大長考になりました。ここ10年ほどの王将戦七番勝負で2時間を超えた長考は下記のとおり(左側が先手、肩書は当時)。3時間を超える長考は、2003年の第52期第3局で佐藤康光王将が記録した、55手目▲4五銀の3時間33分以来です。
2017年 第4局 郷田真隆王将 30手目△3三銀 2時間40分
2015年 第6局 郷田真隆九段 57手目▲4六角 2時間26分
2015年 第4局 郷田真隆九段 37手目▲2四歩 2時間4分
2015年 第1局 郷田真隆九段 59手目△5五同銀 2時間25分
2009年 第2局 羽生善治王将 35手目▲1七桂 2時間2分
2005年 第2局 森内俊之王将 34手目△5一角 2時間8分