2020年1月24日 (金)

前夜祭(2)

両対局者の登壇後、関係者によるあいさつが行われました。

Img_1622(小笠原敦子・毎日新聞社大阪本社副代表)
「将棋界は相変わらず大変な熱気が続いており、その中で令和になって最初の王将戦を迎えました。渡辺明王将は絶好調で、現在勝率は全棋士の中でトップでございます。広瀬八段は、挑戦者になられた一局の粘りが大変素晴らしく、若手もさることながら、この30代、脂の乗りきったおふたりの対局を楽しみにしております」

Img_1630(山本泰博・スポーツニッポン新聞社取締役大阪本社代表)
「将棋界の8大タイトルの中で、スポーツ紙が主催しているのはスポーツニッポンだけでございまして、楽しく明るい内容を読者にお届けしております。第1局では一夜明けの紙面で、渡辺王将が大きな駒を持ってトライをしている写真を撮らせてもらいました。これからも編集部の要望が激しくなってくると思われますが、それも前期、渡辺王将が就位式で『どんな写真の注文がくるか楽しみにしている』とおっしゃったので、うちの編集部もそれならばと練りに練った企画をぶつけようと思っています。広瀬八段にとっては大きな迷惑だと思いますが(笑)、これもすべて渡辺王将の責任ということでご容赦いただきたいです。そういった楽しい記事の一方で、対局場ではピリピリとした非常に激しい戦いが始まります。その両方をスポーツニッポン紙上でお伝えできればと思います」

Img_1642_2(脇謙二・日本将棋連盟専務理事)
「今回の挑戦者決定リーグは、実力者ぞろいで大混戦になるのではないかと予想していたのですが、広瀬八段が5勝1敗という素晴らしい成績で挑戦権を獲得されました。ただ、渡辺王将は現在『勝ち勝ち山』と申しますか絶好調ですので、これからが本当の勝負なのかなと思っております。昨今はAIを活用した研究が主流になっており、将棋の内容もだいぶ変わってきました。私などは平成どころか、いまだに昭和の将棋しか指せないのですが、おふたりは令和の時代にふさわしい、新しい定跡となるような将棋を期待しております」

(書き起こし=夏芽記者、撮影=武蔵)