第65期王将戦七番勝負第3局
感想戦
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終局直後
(終局直後の対局室の様子)
(勝った羽生名人)
羽生名人「本譜はありそうでない形で、まとめ方がわかりませんでした。封じ手のところでは有効な手が見えませんでした。それで端歩を突いたのですが、こうするのでは、通常よりも少し損したと思っていました。
(2日目の進行について)こちらからはあまり指す手がないので、実戦の手順くらいかなと思っていました。たぶんいい勝負だと思います。
△8五桂(72手目)と桂を使えるようになって面白くなったのではないかと思います。その前はいろいろな手があったと思います。△2六桂(90手目)と打ったところは少し残っているのではないかと思いました。(第4局以降も)同じように頑張ります」
(敗れた郷田王将)
郷田王将「最近見ない古い将棋でした。手探りでよくわかりませんでした。通常の形よりも少し得なのでいい変化があるかなと思いました。それで考えてみましたが、自信がある手順がちょっと。▲3八金と上がるようでは苦しいです」
「▲5五銀(49手目)で▲7五銀の声もありましたが、いかがでしたか」と質問されると、郷田王将は「あっ、▲7五銀……、そんな手がありましたか。(羽生名人も「あぁー」と声を出す)。あー、そうか、全然浮かばなかったなるほど。そうか、そういう手があるのか、それを考えないといけなかったかもしれません。銀を中央に使う手しか浮かばなかったんですけど、飛車が駒の裏にこられてしまったのでそうやるべきだったかもしれません。本譜はわかりやすく負けになりました。また巻き返せるように頑張りたい」と話していました。
羽生名人の勝ち
第65期王将戦七番勝負第3局は、100手で羽生名人の勝ちとなりました。終局時刻は18時58分。消費時間は▲郷田7時間59分、△羽生7時間55分。
シリーズ成績は羽生名人の2勝1敗となりました。第4局は2月16・17日に青森県弘前市「弘前市民会館」で行われます。
(紋蛇)
18時30分ごろの控室
決め手が出るか
後手よしの見解が出る
局面は72手目△8五桂まで進みました。50手目△3五歩から流れは激しくなり、終盤戦です。佐藤康九段は「後手のパンチが入っているかもしれません。▲7四歩と桂を取れば△7七桂成▲同金△8八銀▲7六金△8九銀不成と進みます。先手はここで持ちこたえられればいいのですが。手順中の△8八銀(参考図)が好手です」と解説します。参考図の△8八銀に▲同飛は△7九角▲同玉△7七飛成が厳しいです。
木村八段は66手目△7四桂(2図)からの手作りに感心しています。羽生名人が細い攻めを巧みにつなげています。