第66期王将戦七番勝負第3局 Feed

2017年2月 2日 (木)

Img_2417終局後、両者にインタビューが行われた。

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【久保九段の談話】
――飛車を取られて先手の迫力ある攻めが続きました。受けに回っている間はどのように見ていましたか。
「しょうがない、しょうがないという感じの受けでしたので、苦しいと思っていました」

――終盤は攻守が逆転しましたが、どのあたりで勝ちが見えましたか。
「2回目の△6六歩(120手目)と打ったところで手がつながりそうだと思いました」

――これで3連勝ということになりましたが、いかがでしょうか。
「次の一局一局をやっていこうと思います。先のことは考えずに」

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【郷田王将の談話】
――▲3五とと引いたあたりはどのように見ていましたか。
「まあ、よくわからなかったんですね」

――飛車を取って攻めが快調なようにも見えましたがいかがでしたか。
「うーん、ちょっとよくわかっていなかったんですけど。途中は△3四歩(62手目)~△3五歩の筋をちょっとうっかりしてしまいまして」

――対局全体を振り返っていかがでしょうか。
「角を打っては見たものの攻め込める順がなかったので、終始あまり自信がなかったです」

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時刻は18時30分を回るところ。局面の焦点は▲5二歩成の余裕を与えず、後手の攻めが決まるかどうかに絞られてきました。一時は先手持ちに揺れていた検討陣ですが、現在は後手の攻めがうるさいと見ています。また、Twitter解説の平藤七段は、ずっと難しいと見ており、現在は後手の攻めを振りほどくのは大変と見て、後手持ちの見解を示しています。

■Twitter解説■
平藤眞吾七段>ついに振り飛車側の反撃の手が回りました。これを先手陣は手薄い格好なので振りほどくのは大変とみています。

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時刻は17時30分を回りました。
前図から△6六銀▲6三と以下直線的に進んで、手数は100手を超えました。図で先手からは次に▲6三歩成があるため、後手は受けなければいけません。△5四角や△7二金打などの受けが考えられるところで、まだまだ難しいようです。

Img_2399大田原の街は夜のとばりが降りてきた。夜戦に突入だ。

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時刻はまもなく17時を回りました。図の局面で残り時間は▲郷田40分、△久保1時間15分。
互いに踏み込んで、勝負はそろそろ終盤戦に入ります。後手は銀冠で懐が深く、「玉を早逃げする筋がまた出そうじゃない?」と田丸九段。ただ、第1局と第2局では決め手になった早逃げの変化ですが、本局では早逃げがあることを加味しても先手持ちと検討陣は見ています。とはいえ、形勢は微差で、まだまだわかりません。

Img_2347形勢よしと見られている郷田王将だが、持ち時間は少なくなってきた。

87図は16時10分頃の局面。
郷田王将は▲3五とと引きました。貴重なと金ですが△3五同金と取らせることで金をそっぽにやり、▲5五銀と中央に進出する狙いだといわれています。この手に対して久保九段は△5六金と応じています。非常に思い切った踏み込みで、尋常な手ではまずいてみて勝負に出たと見られています。

Img_2395大盤解説会には松本六段がゲスト出演。

Img_2388「先手のと金の使い方がポイントです」と解説していた。

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図は15時30分頃の局面。控室には現地近くに在住の松本佳介六段が来訪しました。
「現状は互角の争いだと思います。陣形は後手がいいと思いますが、先手はと金が主張でバランスがつりあっていますね」(松本六段)

Img_2383松本六段はスポーツニッポンを読みながらコーヒーブレイク中。このあと大盤解説会に特別出演する予定だ。

15時を回り、対局者におやつが運ばれました。

Img_2368_2郷田王将は「各種フルーツ盛り合わせ」と「コーヒー」。フルーツの内訳は、ブドウ、メロン、カキ、パイナップル、キウイ、イチゴ(とちおとめ)。

Img_2379久保九段は1日目と同じ「苺のショートケーキ」と「コーヒー」。

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大盤解説会場では図の局面で次の一手が出題されました。飯野七段の予想は▲4六同飛、▲4六同銀、その他の3種類でした。Twitter解説の平藤七段は▲4六同歩も候補に挙げています。

Img_2365次の一手を出題する飯野七段。

■Twitter解説
平藤眞吾七段>銀で取る手は違和感ありますが飛と歩、どちらで取るのもあると思います。それで展開がかなり変わるので深い読みが必要なわけです。