第69期王将戦七番勝負第6局 Feed

2020年3月14日 (土)

Dsc_7692(終局直後)

Dsc_7699_2(後手番でカド番をしのいだ、渡辺王将。フルセットに持ち込んだ)

Dsc_7694(追いつかれた広瀬八段。自身の経験した七番勝負では、3回目のフルセットとなった)

【渡辺王将のインタビュー】
――お疲れさまでした。渡辺王将から伺います。一局を振り返って、いかがでしょうか。

渡辺 作戦負け気味だったので、ちょっと無理気味かなと思いつつ動いていったんですけど、成算はなかったですね。

――終盤の読み合いで勝機がありましたか。

渡辺 お昼明けて、基本的には足りないのかなと思いながらやっていたんですけど、△6九銀と反撃したあたりで、もしかしたら勝機が出てきたような気がしました。

――これでフルセットです。次局の抱負をお願いします。

渡辺 次は最後の将棋なので、これまで以上に悔いが残らないように指せればよいかなと思います。

【広瀬八段のインタビュー】
――広瀬八段に伺います。敗因はどのあたりでしょうか。

広瀬 後手の玉形が不安定かなと思って指していたんですけど、思ったよりも攻めにくいというか。そうしているうちに形勢を悲観してしまって、敗因はまだちょっと分からないですけど、反撃されてからはちょっとまずいと思います。

――1日目の進行はいかがでしょう。

広瀬 こちらもしょうがないかなと思っていました。1日目の午後はもうちょっとよい対応があった気がしたんですけど、分からなかったので。本譜もいい勝負があるかなという進行でした。

――1日目と2日目、どちらに敗因がありましたか。

広瀬 2日目は間違えているんでしょうけど、難しい変化もたくさんもあったので、仕方ないところです。

――第7局の抱負をお願いします。

広瀬 おそらく年度最後の対局になると思いますし、フルセットはなかなか経験できることではないので、精一杯、頑張りたいと思います。

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七番勝負第6局は108手で渡辺王将の勝ちとなりました。終局時刻は18時17分。消費時間は▲広瀬7時間57分、△渡辺7時間22分。対戦成績は3勝3敗となりました。最終第7局は3月25日(水)から26日(木)にかけて、新潟県佐渡市「佐渡グリーンホテルきらく」で行われます。

98△7八銀成まで進み、後手勝勢と見られています。先手玉は一手一手の寄りなのに対し、後手は三段目にいる玉が広いです。

Dsc_7673_2(控室に大幸園から、出来立てのあんこ餅が差し入れられた)

Dsc_7678(本日の上峰町は晴れ。絶景が広がる)

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93

盤上は最終盤です。図から△6八成銀が△7八銀成からの詰めろになります。先手は攻防手を放たないといけませんが、検討では手段が見つかっていません。

Dsc_7668(△8七桂が指される直前、福崎九段と武富女流初段による継ぎ盤。本譜の△6九銀に代えて、△9九桂成を検討していた)

Dsc_7670(福崎九段は、渡辺王将側に座る)Dsc_7671(広瀬八段側には武富女流初段)

Dsc_7666(控室に届けられた、『大阪王将』の餃子)

Dsc_7665(実は、1枚目の写真は食品サンプル。それを聞いた武富女流初段が、何も知らない福崎九段にお皿を差し出した。箸を伸ばした福崎九段は「カッチカチやないかい」。武富女流初段は笑い過ぎて、息が絶え絶えになっていた)

まもなく春がやってきます。大幸園の回りには、ナノハナやウメ、ツバキが咲き乱れていました。

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Dsc_7385(メジロ)

Dsc_7406(町木のツバキ)

Dsc_7397(ずっと見られていた)

※写真は昨日に撮影したものです。

大幸園は1972年に創業した、老舗割烹料理店です。ニジマス、アユなどの川魚、地鶏・黒毛和牛の炭火焼きやスッポンなどが名物のひとつで、対局者の昼食にも提供されました。
2017年にリニューアルオープンされ、第67期七番勝負第2局▲豊島将之八段-△久保利明王将戦(肩書は当時)が行われました。本局はそれ以来の開催です。

Dsc_7382(大幸園の入り口。周りは木々に囲まれ、静寂に包まれる)

Dsc_7411(右の建物が対局場。右手は駐車場で、料亭には左の路地を登っていく)

Dsc_7413(生け簀。現在は料理に提供される、ヤマメが泳いでいる)

Dsc_7415(左の階段は控室、右は対局場に通じる)

Dsc_7416_2(『大阪王将』のノボリがはためく)

※写真は昨日に撮影したものです。