第64期王将戦七番勝負第2局
感想戦
対局者、大盤解説会場へ
終局直後
(突然の終局。報道陣が慌ただしく対局室に入った)
渡辺明王将コメント
「▲4七銀(83手目)と引かれてからは苦しいと思っていました。もともとまずかったかもしれません。角を取られる順(105手目▲4五歩)は仕方がないと思っていました。△6七金(144手目)と指してチャンスがきたのかと思いましたが、▲6二飛(145手目)に△8四馬では負けで、△7四馬ではやはり自信はありませんでした。△4八銀(154手目)では受けがあったのかもしれません。終盤はいろいろあった気がします」
郷田真隆九段コメント
「▲4七銀(83手目)でどうかなと思っていました。終盤は勝ちになったと思いましたが、はっきりした手順はわかりませんでした。△4八銀(154手目)が見えていなかった。(153手目▲3八銀に代えて)▲4一角しかなかったです。残念な将棋でした」
王将戦第2局、渡辺王将が勝ち
第64期王将戦七番勝負第2局は156手までで渡辺王将が勝ちました。終局時刻は19時21分。消費時間は▲郷田7時間59分、△渡辺7時間59分。これで対戦成績は渡辺王将の2連勝です。第3局は1月29・30日(木・金)に栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます。
渡辺王将も残り10分を切る
郷田、秒読みに入る
18時48分、渡辺王将が銀で王手した局面です。先手が勝ちそうです、と久保九段。郷田九段は残り10分を切り、秒読みに入っています。
終盤戦
図で渡辺王将は△7四飛と角を取りました。▲同歩に△2七金を、久保九段は検討していました。以下(1)▲2七同飛は△4九角が王手飛車取りです。
ただ(2)▲2三歩成があります。(A)△2三同玉は▲2七飛と王手で金を取られ、また(B)△2三同金上は▲6二飛があります。(C)△2三同金寄と取るしかありませんが、「そこで▲4四桂が詰めろになるのでしょうか。先手が勝ちそうだとは思いますが、具体的な手順はわかりません」。
本譜は△7四飛▲同歩に△2四歩と手を戻しました。
金と銀の違い
上図は渡辺王将が猛攻をかけ、桂馬を打ち込んだところです。
ここでは▲6七同銀が有力視されていましたが、郷田九段は▲6七同金右と取りました。
久保九段は下記のように解説しました。
「▲6七同銀は△同歩成▲同金右に△8八歩▲同銀△6六銀という手があります。以下▲4四歩と角を取ると△6七銀成▲同金△8七銀▲同銀△同飛成(参考1図)で受けづらいです」
「本譜の▲6七同金右だと、同様に進んだときに8七に打ち込む駒が金しかなく、(△6七同歩成▲同金△8八歩▲同銀△6六銀▲4四歩△6七銀成▲同金△8七金)▲8七同銀△同飛成に▲7八金(参考2図)と受けることができます」
最初に銀で取ってしまうと「金なし将棋に受け手なし」。相手に銀を渡さずに金を渡すことで、あとから8七に打つ駒が金しかないという、複雑な手順です。