対局から一夜明けた本日、深谷市役所で藤井王将の一夜明け会見が行われました。
【一夜明け会見】
―― 一夜明けての感想を聞かせてください。
「永瀬九段と二日制で対局をするというのは、この王将戦が初めてで。その点は前から楽しみでもあったのですけれど。そういった長い持ち時間の中で5局を指して。どの将棋も難しい中盤戦と終盤戦という局面が多かったので。充実感もありありましたし、非常に勉強になったシリーズだったと思っています」
―― 第5局で2手目に△3四歩を指されました。プロ9年目で初めてということで、そのことの手応えと、いま思われることがあれば教えてください。
「2手目に△3四歩と突いてみようかなというのは、本局に向けての準備の中で考えていたことではあったのですけれど。ただ、いままで公式戦では指したことがないので。経験としては、かなり不足しているところもありますし。やってみないとわからないところが多いと思っていました。その中で、こうして8時間という持ち時間で、△3四歩からの将棋を指すことができて。それで発見であったり、手応えであったり、そういったものを得ることができたんじゃないかと思っています」
―― 昨日は2手目△3四歩を指されましたが、これから先、後手の場合、例えば5筋の歩を突くとか、飛車を振るとかいうことは考えられますでしょうか。
「現時点で考えているということではないんですが、もちろん、可能性としては、そういった余地はあるかなとは思っています。ただ、特に振り飛車というのは、相居飛車とは感覚的にも違ったところが求められるようになるので。もし、そういうことがあるとすれば、そのために相当な準備が必要になるかなと考えています」
―― 盤外のことになりますが、深谷だと、赤城乳業の工場があったりとか、秩父鉄道でSLが走ったりしています。埼玉だと鉄道博物館もあるんですけど。行きたいところとか、やってみたいこととかはありますか。
「埼玉県は今回初めて伺ったのですけれど。名産のネギであったり、煮ぼうとうなどもいただくことができて。こちらの名物とかは、いろいろと楽しむことができたかなと思っています。埼玉県ということでいうと、やはり鉄道博物館が大宮にありますので。そちらは是非ゆっくり周ってみたいなと思っています」
―― 深谷の人たちは、藤井王将がお見えになることを楽しみにしていまして。深谷での印象と、深谷市民の方に一言お願いします。
「深谷対局にあたって、地元の方に準備と歓迎をしていただいて。とても気持ちよく対局に臨むことができました。食事もネギであったり、いちごの『あまりん』など、美味しいものが多かったと感じています。前夜祭や大盤解説会にも多くの方に来ていただいて。対局への注目であったり、期待というのが力になったと感じています」
―― 王将のタイトル4連覇について、タイトルを重ねていくことについて、どのようにお考えですか。
「タイトル数であったり、そういった記録というものについては、今の時点でそれほど意識することでは、そこはないのかなと考えています。やはり、より実力を高めていくということと、それによって長期にわたって活躍できるようにすることが重要なのかなと。記録というものも、それによってついて来る、あるいは伸ばしていくことにもつながるのかなと思っています」