第63期王将戦七番勝負第4局
棋譜
感想戦
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終局直後
――――まずは羽生三冠にお尋ねします。1日目、ゴキゲン中飛車に対抗される形になりましたがある程度予想はされていましたか?
いや全く予想していませんでした。ただ何局か指したことある将棋で、まあ2枚銀でどうなるのかなと。
―――封じ手のあたりはどうでしたか
その前後あたりは茫洋とした局面がずっと続いていたのであまり判断がつきかねていました。
―――2日目の午前中は▲7七歩(53手目)と打って▲7九角と引く展開になりましたが。
そのあたりはちょっとつまらない将棋にしてしまったかなと。角が使いにくいので。
―――午後になって▲3五歩(63手目)と動いていきましたが、この攻めはうまくいったという感じですか。
まあ仕方なしにというところではあるのですが、そうですね、ちょっとよくわからなかったです。成否は微妙なところだと思います。
―――どのあたりで良くなったかと思いましたか。
角を取ったところ(83手目▲4二香成)は良くなったんじゃないかと思いました。まだはっきりはしていないとは思いますが。
―――勝ちだと思ったあたりは。
▲3一竜(103手目)と金を取ってですね。
―――2勝2敗のタイになりました。
次も一所懸命がんばりたいと思います。
―――ありがとうございます。続きまして渡辺王将、ゴキゲン中飛車は作戦だったんでしょうか。
そうですね、先週に続いて。
―――1日目はいかがだったでしょうか。
ちょっと▲2五飛(41手目)と引かれたのはあまり見たことない将棋で対応がわからなかったです。
―――2日目の午前中はいかがだったでしょうか。
一息ついたんで、息長く指せればと思っていたんですが、午後の攻めがちょっと厳しかったです
―――ここでこうしていれば、というところは今のところありますか。
▲3四銀(67手目)と打たれてどう対応していいかわからなくて、本譜はあっという間に駄目になってしまったので、銀を打たれたところで他の対応があったかどうか。
―――2勝2敗となりました。
また来週頑張りたいと思います。
―――どうもありがとうございました。
羽生三冠が勝ってタイに戻す
早逃げ
図は18時30分ごろの局面。後手玉には▲8一飛からの詰めろがかかっていましたが、渡辺王将は△9三玉と早逃げしました。▲9一竜には△9二金で竜を弾きたいところですが、▲9五歩と突いて先手勝勢と深浦九段は解説します。
17時30分過ぎの局面
17時30分過ぎの局面。残り時間は▲羽生32分、△渡辺41分。
現地大盤解説会では図から△5三飛▲同成銀に△5七歩▲1一竜△5八歩成▲3一竜△6八と▲同角△5八と(変化図)を並べている。
しかしこの進行は▲8一飛△9三玉▲9一飛成△9二桂▲同竜△同玉▲8四桂から詰みがあるようだ。
17時ごろの局面
図は17時ごろの局面。どちらも残りは1時間を切っています。△3二金は△1一香から竜を取ろうというもの。後手に飛車を渡してしまうと先手は少しこわい形なので、竜を助けるなら▲2一角と打つのでは、と控室で言われています。
後手苦しい
控室では図の▲4三香に代えて▲3四歩の方が厳しいと見られていましたが、▲4三香以下△5三角▲同銀成△同飛▲1一竜△3二金▲3四歩(変化図)が継ぎ盤に並べられ、「これも厳しいか」と藤井九段。消費時間は▲羽生6時間49分、△渡辺6時間32分。残り時間は両者とも1時間と少し。
(16時ごろの控室)
16時15分ごろ、藤井九段が「やっとわかった」と記者に▲3四歩と打たなかった理由を解説してくれました。「▲3四歩と打つと、△4五桂▲同銀△2四角(変化図2)という手があったんです。その次に△2一金とすれば竜を捕獲できます。渡辺さんの△3六歩は甘そうに見えて、その筋を狙っていた。羽生さんはそれを見破って▲4三香と打った。そういうことです」と藤井九段。