第70期王将戦七番勝負第4局 
終局直後
■永瀬拓矢王座
―― 一局を振り返って。
永瀬 序盤は用意の作戦ではありました。全体的に手が広く、両者気を使う印象があったんですが、難しい将棋だったのかなと思います。
――どのあたりから指しやすくなったと思いますか。
永瀬 封じ手の局面は若干先手持ちかなと。ただ、まだまだ大変なので。いいと思ったのは最後のところですね。
――▲4四桂(65手目)が効いたのでは。
永瀬 ▲3四桂と▲4四桂では▲3四桂なのかなと思った。歩が7枚くらいあって、飛車が不安定なので、そこがどうなっているかなと思っていました。
――勝ちを意識したところは。
永瀬 ▲3三金(107手目)と打って受けが難しくなったかなと。
――最後はどのような心境でしたか。
永瀬 ▲2四歩(89手目)のところで▲3六銀との比較が難しかったので。▲3六銀のほうが自然ですか? ちょっとよくわからないかな、と。
――第5局に向けて。
永瀬 一局でも多く教えていただけるように、精いっぱい準備して頑張りたいと思います。
■渡辺明王将
――2日間を振り返って。
渡辺 ちょっと早い段階でダメにしてしまった将棋でした。そうですね、初日の昼休明けくらいの攻め方がおかしくて。
――ずっと苦しかった。
渡辺 ▲4四桂(65手目)をうっかりしていたので。封じ手が過ぎて1日目が終わったところはかなり悪いと思いました。
――▲4四桂と打たれたところで封じ手か、といわれていました。
渡辺 もうダメだと思ったので、アヤを求めて指していったんですけど……。
――2日目はどうだったでしょうか。
渡辺 一応寄せ合いの形にはなりましたけど、基本的には足りないのかな、という感じでやっていました。元が足りなすぎるので、さすがにずっと足りないんだろうな、と。
――第5局に向けて。
渡辺 本局は早い段階で悪くしてしまったので、もうちょっと内容がある将棋を指さないといけないですね。
永瀬王座がシリーズ初勝利
2月14日の王将戦
大盤解説会
2日目午後のおやつ
特別座談会
14時から「パレスホテル立川」で特別座談会が始まりました。出演者は谷川九段、佐藤康九段、室谷女流三段。谷川九段があいさつで「進行が思ったよりも早いので、戦況を気にしながら進めていきたい」と話しました。室谷女流三段が進行役を務め、谷川九段と佐藤康九段が「王将戦の思い出」をテーマに語ります。
谷川九段は第41期から王将4連覇し、佐藤康九段は第51期と第61期の王将です。谷川九段は1995年、阪神・淡路大震災の前後に戦った第44期七番勝負を「鮮明に覚えている」と語りました。佐藤康九段は第51期七番勝負を挙げ、「本格正統派という看板が揺らぎ始めた、自分の殻を破るきっかけになった」という第1局について話していました。三間飛車からスタートし、飛車と香2本を端に並べて居飛車穴熊を打ち破ったインパクトの大きい一局です。