2025年3月 9日 (日)

記者会見

感想戦終了後に記者会見が行われました。

Img_7368 始めにフォトセッションが行われた。

【藤井王将の記者会見】

―― 本局は、2手目に初めて△3四歩を選ばれました。この対局でこの手を選ばれた理由はなんだったのでしょうか。そして、局後の永瀬九段の言葉で、△3四歩に対して準備不足だったとありました。作戦としては成功したとお考えでしょうか。
「このシリーズが始まったときから、後手番のときは2手目に△3四歩と突くことも含めての作戦を考えようと思っていました。それを本局で試した見たということですが。初めて指すことになるので、わからない部分も多かったんですけれど。結果として序盤、それほど悪くならずに乗り切ることができたのかなと」

―― 永瀬九段との初めての2日制のタイトル戦でした。1日制との違いは。
「1日制と2日制では、ペースがかなり違ってきます。急所の局面で求められる読みの量も違うので。永瀬九段と、今回の2日制の対局を通して非常に勉強になるところが多かったかなと感じています」

―― 今回の防衛でタイトル獲得数が28期となりました。これは尊敬されている谷川浩司十七世名人を超えることになりましたけれども。これについてはいかがでしょうか。
「いま、そういった実感はないんですけれど。今回、タイトル獲得数が28期ということで、その点で谷川十七世名人の記録を超えることができたことは、光栄なことと思います。

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―― 今日の対局が今年度の対局としては最後になります。今年度を振り返っていかがでしたか。
「全体を振り返ると、成績という面では、それほど振るわなかったですけど。対局を通して、いろいろと得たものは多かったかなと感じています。それをしっかりと生かして、強くなれるように、これからも取り組んでいくことが求められるのかなと思っています」

―― 2手目△3四歩を指す決断に至るまでには何がありましたか。
「最近、後手番で少し苦戦することが多いということがあって、変化することが求められる部分もあるのかなと。また、以前は実戦に於いても、最善を突き詰めていったらどうなるのかという考え方の意識が強かったんですけれど。考えてもわからないことが多いですし。その中で、実戦でいろいろな変化をしていく中で、構想を考えていくということも大きな意味があるのかなと判断するようになったので。それもあって、いろいろな形を試して見れたらいいなと思っています」

―― 永瀬九段との研究会で2手目△3四歩を指したことはありましたか。
「練習対局で、何回か指したことがあったので。なので、△3四歩を突くことで意表をつける、ということではないかなと思っていましたので。その後で、うまくバランスを取っていけるかどうかが大切だと思っていました」

―― 昨年来、常々後手番が課題であるということを、おっしゃっていました。去年の後半から、後手番の成績に関して、数字的には上がって来ているように思います。何か手応えを感じていますか。
「後手番の戦い方という点では、いまでも試行錯誤しているところではありますけれど。少しずついろんな経験を積めていきているかなと思うところもあるので。それを生かしてさらにブラッシュアップしていければと思っています」