第67期王将戦七番勝負第4局 Feed

2018年2月20日 (火)

戦い終えた両対局者が主催紙インタビュー終了後に大盤解説会場に姿を見せました。

Photo_95 (両対局者が大盤解説会場で本局を振り返った)

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Photo_99 (多くのファンが両対局者を見るために残っていた)

Photo_100 (ファンへの挨拶を終え、退室する両対局者。再び対局室へと向かった)

Photo_89 (終局直後、余韻の残る対局室)

すぐに主催紙インタビューが行われました。まずは久保王将から。

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――相振り飛車戦となりました
久保 定跡形とは違って一手一手が難しい戦いが続きました。

――封じ手で仕掛けました
久保 1手待ちたいところでもあったりして、迷いました。

――仕掛けに成算はありましたか
久保 うまくいっているようでそうでもないようなという感じで、こちらの玉形が薄く、怖いところでもありました。

――その後はいかがでしたか
久保 端からの攻めが手になりそうになく、自信がないところもありました。

――こうやっておけばよかったというような手はありますか
久保 100手目に指した△1一飛をもっと早く指しておけばよかったかもしれませんが、手の組み合わせが難しかったです。

――勝ちになったと思われたところは
久保 120手目に△4一飛と回って詰みに利いてきそうなところになって、いけそうかなと。ただ、最後まで分からない将棋でした。

――3勝目を挙げて、防衛まであと1勝となりました
久保 次に向けて、またしっかり準備していきたいと思います。

続いて豊島八段にインタビューが行われました。

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――今シリーズ3度目の相振り飛車戦を選ばれました
豊島 予定の作戦でした。

――封じ手のあたりはいかがでしたか
豊島 攻められるのはかなり嫌でしたが、どう待ってどう受けるか難しいところでした。ただ、本譜はちょっとしっくりこない展開になってしまいました。

――その後はいかがですか
豊島 ▲5五桂(79手目)と打ったあたりは難しくなったように思ったのですが、まだ悪かったかもしれないです。

――終盤はいかがでしたか
豊島 △7五桂(92手目)と打たれたところは何かありそうに思ったのですが分かりませんでした。▲6三銀成(101手目)でなく▲8一銀だとどうだったかですが、それでもダメかもしれないです。本譜は△7四銀(104手目)ではっきり悪くなったように思いました。

――これでシリーズは1勝3敗となりました
豊島 切り替えて頑張ります。

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七番勝負第4局は130手で久保王将の勝ちとなりました。終局時刻は19時12分。消費時間は▲豊島7時間58分、△久保7時間58分。対戦成績は久保王将の3勝1敗となりました。第5局は3月6日(火)から7日(水)にかけて、島根県大田市「さんべ荘」で行われます。

121 19時5分、図から久保王将は△3七角成。▲3七同馬しかなさそうとのことですが、それでは後手玉の詰めろが消え、どうやら久保王将が抜け出たのではないかと言われています。

113 19時前、豊島八段は金を取りました。銀を渡しても大丈夫と見たものですが、後手玉への寄せも発見されておらず、結論は出ていません。

Photo_88 (19時前、検討にも熱が入っている)

110 18時50分、局面は最終盤に入りました。この△2八角は詰めろではありませんが、豊島八段は▲4二馬と質駒を消す手を選びました。阿部隆立会人は「辛抱したなー」と述べ、△5四金には▲3三馬(飛車取り)がありそうと話しました。

104 図は18時35分ごろの局面。阿部隆立会人が「ここで指し手が見えない」と話していたところ、豊島八段の手が動き▲5四歩を着手しました。△同歩なら▲5九歩ができて利かしになりますが、「だからといって手抜けますかね」と阿部隆八段は笑みを浮かべました。その直後、久保王将の手が動き、静かに8九に飛車を成りました。残り時間はともに10分を切っています。

Photo_87 (久保王将が△7四銀を着手した)

100 図は18時すぎの局面。100手目に久保王将が△1一飛と飛車を引いたところです。▲5一馬に△同飛を用意しながら△4一飛といいタイミングで馬を取る手を見せたものですが、この手が指された瞬間、今泉四段は「大丈夫なの」と声を上げ、菅井王位も「大丈夫なんですかね」と同調しました。というのもここで▲6三銀成△同金▲6一金や、▲5一銀打、▲8一銀などが見えるからで、大盤解説会場から戻った阿部隆立会人は「これは難しくなったのでは。先手が勝ちになっていてもおかしくなさそうです」と述べました。

17時40分ごろ、大盤解説会に井上・日本将棋連盟常務理事がゲスト出演しました。

Photo_83 (17時40分ごろ、阿部隆立会人とともに解説会にゲスト出演した井上・日本将棋連盟常務理事)

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Photo_85大盤では阿部隆八段が93手目の▲5六銀で、代えて▲5四桂を示しており、「これは先生のお弟子さんの菅井王位が検討で示した手でして、本当、こういう手が見えるというのはすごいと思います」と話すと、「菅井君らしい手ですね」と井上・日本将棋連盟常務理事は柔かな笑顔で返しました。