第63期王将戦七番勝負第1局
渡辺王将
感想戦
終局直後
(渡辺明王将は先勝で2連覇に弾みをつけた)
(前例のある展開だったが)流行している形なので仕方ないかと思いました。▲6六桂(の長考)では他の手も考えたがダメそうです。
本譜は予想していました。変化が多い将棋ではないので。午後のはじめくらいまで考えていた。▲2三銀と打ったあたりはこちらは手段がなく、受け切られたらという将棋になった。途中は足りないと思いながら指していました。
最後は詰まされたら仕方がないと思っていました。かなり危ないので読み抜けがあっても仕方ないと。ただ、他は負けそうなので。(対局を振り返って)定跡形なので分かれがどうだったか。
(敗れた羽生善治三冠)
負けた将棋だが、もう一回持ってみたかった。
いろいろ考えてみると、危ない変化が多くそれほど成算があったわけではないです。変化はあったが、どう進むか予想できませんでした。
終盤の△8五桂でもう少しマシな手があったかもしれません。難しいと思いましたが、まとめ方が分からない将棋でした。
渡辺王将先勝
渡辺明王将に羽生善治三冠が挑戦する第63期王将戦七番勝負第1局は18時48分、135手で渡辺王将の勝ちとなりました。渡辺王将は初防衛に向けて好スタートを切りました。消費時間は▲渡辺7時間43分、△羽生7時間57分。
第2局は1月23・24日(木・金)に栃木県大田原市 「ホテル花月」で行われます。
終局近し
羽生三冠は銀で追いましたが、▲6五玉でも▲6七玉でも捕まりません。青野九段は▲6七玉△4九角▲5七玉を示して「なにもないですね」とぽつり。終局が近いとみられています。
最終盤
渡辺王将の見切り
わからない
強い踏み込み
羽生三冠は図から△5五同角と取りました。以下▲6六銀打△同飛▲同銀△同角▲7七金(参考1図)の局面は後手の寄せが見つかっていません。ちなみに手順中の▲6六銀打に△同角▲同銀△同飛は▲3三金△同玉▲2二角が王手飛車取りで先手よしです。
「△5五同角は成算があって踏み込んだはずですが、具体的な手順がわからない。もし負ければ敗着になりかねない手です」と真田七段。仮に参考1図で角を引くしかないなら、図で△5二銀(後述)がよかったのではないか、というのが検討陣の意見です。
控室では△5五同角ではなく(2)△5二銀▲6一竜△同銀▲2一飛△2二銀▲6一飛成△5五角▲6六銀打△3三角(参考2図)が検討されていました。後手は駒をボロボロと取られますが、角の利きで勝負しようという順です。それで難しい勝負と考えられていました。