本局は左図に見られるように、相三間飛車となりました。女流棋士の対局ではよく見られる戦型です。
6手目△3二飛の局面を2009年度以降で見ると、男性の公式戦では全体の対局数が多いにもかかわらず59局しか指されていませんが、女流棋戦では70局も指されています。
以下、同様に進んで下図となりました。ここで▲6八銀△8八角成▲同飛△4二銀▲7七銀△5四歩と同型が崩れました。どちらがよりよい攻撃陣を組めるかが注目されます。(銀杏)
夕食に出された食事を一部紹介いたします。
(アスパラガスは今日取れたてのもの。じゃがいもは雪室貯蔵したもので、甘みが増して美味)
(旭川名物の江丹別そば。扇松園のそば処「そば扇」は旭川の人気店として知られている。また、旭川出身の作家、故・三浦綾子氏の小説『果て遠き丘』に扇松園の打ちたてそばも話題に出てくるとのこと)
(近隣農家で取れたトマトを使用した無添加のトマトジュース。酸味と甘みのバランスが絶妙。空気に触れるとすぐに味が落ちてしまうのですぐに飲むのがよいとのこと)
18時からは関係者のみによる夕食会が行われました。
(関係者による会食) (高田正基・北海道新聞旭川支社長)
「甲斐智美女流王位、里見香奈女流名人、そして本局に際しましてご来場いただいた関係者の皆様、心より歓迎申し上げます。旭川での女流王位戦は、今回が初めてとなります。開催に当たっては、会場の扇松園様に大変ご尽力いただきました。料理も地元では大変評判の良い旅館ですので、明日の対局前に一晩くつろいで、美味しい料理を楽しんでいただければ思います。
先月行われた第1局では、里見女流名人が先勝しました。第2局は甲斐女流王位がタイに戻すのか、それとも里見女流名人が連勝で勢いに乗るのか。大変注目の一戦であります。女流棋士として最高実力者のお二人が、旭川で相まみえるということで、たくさんの将棋ファンが楽しみにしていると思います。是非、明日は熱い戦いを繰り広げて、たくさんのファンの期待に応えていただけたらと思います。
立会人は稚内出身の中座真七段で、明日は大盤解説をしていただきますが、聞き手は札幌在住の久津知子女流初段ということで、明日は楽しいトークを交えた解説会を、旭川のファンが楽しみにしていますので、よろしくお願いします。最後になりますが、本局の開催に当たりまして、共催をしていただきました日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会、それからご後援をいただく日本将棋連盟北海道支部連合会、運営に大変なご尽力をいただきました日本将棋連盟旭川支部、会場の扇松園様、改めてこの場を借りてお礼を申し上げて、挨拶の言葉に変えさせていただきます。明日またよろしくお願いします」
(青野照市・日本将棋連盟専務理事)
「まずは北海道新聞様には、この女流王位戦を始め、王位戦、JT杯など、本当に将棋にご尽力いただきましてありがとうございます。また日本将棋連盟北海道支部連合会様、旭川支部様、こうして地元のタイトル戦を盛り上げてくださって本当にありがとうございます。この女流王位戦は、北海道新聞様と日本女子プロ将棋協会さんとの三社契約で盛り上げていく棋戦です。そういう意味では全国各地を回って1人でも多くの方に見ていただく素晴らしい棋戦になっておりますので、是非、明日は成功させて皆さんに喜んでもらえればと思います。
扇松園様は素晴らしい会場をありがとうございます。私は初めて訪れましたが、本当に眺めが良くて、両対局者も明日は気持ち良く将棋が指せると思います。今回は女流棋界を代表する二人の対戦ですので、素晴らしい五番勝負になると思います。
里見さんは一時、体調を崩して休んでいましたが、復帰後負けなしという意味では、将棋の勝ち星が一番の健康なのかも知れません。甲斐さんの方も1局目負けましたが、このままでは終わらないと思います。明日は初めて旭川の地で女流王位戦が行われますので、1人でも多くの方に来ていただいて、楽しんでいただければと思います。
将棋連盟も北海道の将棋ファンの普及のために頑張るつもりでおります。そのためには地元の方々にも応援していただいて、北海道の将棋界を盛り上げていきたいと思います。それでは明日の素晴らしい将棋を期待するとともに、日本将棋連盟北海道支部連合会様、北海道新聞様のますますの隆盛を祈念し、そして皆様のご健勝を祈念いたしまして乾杯させていただきます」