前日取材
(福間女流王位は検分前、伊藤女流四段は関係者食事会退席後にそれぞれインタビューが行われた)
(福間女流王位)
――対局場の印象は。
福間 「里湯ひととき夢乃井」さんには集中しやすい対局環境を整えていただいて、ここに来ると開幕するんだなと毎年実感します。
――急な挑戦者変更について。
福間 体調のことなので致し方ないですし、本当に西山さん(朋佳女流三冠)には十分に休養していただけたらと思っています。昨年の私の就位式のときもそうだったんですけど、急なトラブルに関して三社連合の皆さま、各新聞社の皆さまにはご対応いただけて、すごく感謝の気持ちでいっぱいです。
※第35期女流王位の就位式を、妊娠8ヵ月の体調考慮により大阪で開催した。
――伊藤女流四段の印象は。
福間 時間の使い方は少し似ているところがあり、互いにゆっくりと時間を使って将棋を進めていくタイプです。また伊藤さんは独特な棋風で、自分の型を持たれていますし、怖そうに見える局面でも独自の指し回しでカバーされているような安定感のある印象です。
――第1局の意気込みを。
福間 持ち時間が女流棋戦で最長の4時間で、私自身が長考派ということもあって、一局一局将棋を指せる喜びを感じながら自分の力が発揮できるように集中できれば。この持ち時間での勝負の呼吸というのをファンの皆さまに見ていただければと思います。
――産休後の好調の要因は。
福間 星取りについては幸運な面もあります。家に帰ると自然と気持ちを切り替えられる環境なので、家族のサポートが対局中の集中力アップにつながっているのかなと思います。
(白玲5期で棋士編入、の新制度についての質問には「本当に女流棋界発展のことを考えていただいてうれしい」としつつも、自身が目指すかどうかの明言はなかった)
(伊藤女流四段)
――対局場の印象は。
伊藤 「里湯ひととき夢乃井」さんはずっと五番勝負第1局で開催されていますし、対局者のことを考えてくださったサービスを感じております。姫路といえば、五番勝負初挑戦時の第1局の翌日に姫路城を案内していただいたのが印象に残っています。その迫力というか、近づかなくても見える設計に感動した覚えがあります。
――西山女流三冠のことを聞かれて。
伊藤 日本将棋連盟から知らされたのは入院が必要ということで。とにかく大事じゃなければよいな、と思ったのが最初でした。ご自身のXで発信されていましたが、それができる状態ということに少しホッとしたところはあります。
――急な挑戦者変更について。
伊藤 電話で連絡をいただいたのですが、耳から聞いても記憶ができず、ただただ驚きました。将棋棋士にとって対局はいちばん重要なことなので、そういうことなら私が指させていただきます、とお返事しました。
――福間女流王位の印象は。
伊藤 デビュー当時から中飛車をずっと得意戦法とされていて、それを軸に小さい工夫をたくさん入れています。捉えどころが難しいというか、指し方が上手いなぁと感じています。
――第1局の意気込みを。
伊藤 女流王位戦は持ち時間が4時間ということで、ゆっくりと考える時間があるので、最後まで目が離せないような将棋が指せればと思います。タイトル戦だからといって気負うことなく、というのは意識しています。
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本日のブログ更新は以上となります。
対局は24日(木)9時から開始します。どうぞお楽しみに。
(虹)