女流王位防衛、囲み取材
感想戦終了後、囲み取材が行われました。
(以上、撮影銀杏)
(マスクをつけての質疑応答)
――今シリーズを振り返っていかがでしたか。
里見 幸先はよくなかったですが、第1局は取りようによっては次につながる敗戦と思いました。
――第1局は大熱戦でした。手応えがあった対局だったのでしょうか。
里見 反省点はたくさんあって、優勢な局面も長かったと思います。それでも、よくも悪くも自分の力を出しきれたと思います。
――マイナビ女子オープンも五番勝負を戦っています。並行して十番勝負で行われています。短期間に一気に対局するのは大変ですか。
里見 女流王位戦とマイナビ女子オープンでは、持ち時間が違います。長考派なので女流王位戦は4時間で考えられるのはうれしいといいますか、楽しみでした。
――力戦形が多かったと思いますが、内容はいがかでしたか。
里見 中飛車の相振り飛車なので、あまりない形が多かったですが、力戦を指す楽しさはありました。
――五番勝負中に週3局指す場面もありましたが、疲れはどうでしたか。
里見 タイトル戦で各地を転戦して対局させてもらっていたので、対局場の雰囲気や食べ物に癒されてリラックスできたと思います。
――重要な対局が続きますが、今後の抱負をお願いします。
里見 女流王位戦は何とか結果を出せました。今後にもいい影響を与えられるように頑張っていきたいと思います。
――2019年に奪還して以来の3年ぶりの徳島対局で防衛を果たしました。徳島はどのように感じていますか。
里見 徳島は道中が癒されるといいますか、大阪からは淡路島を通って橋を渡ってくるので目が癒される気がします。3年ぶりで久々でしたが、いいところと思うと同時に対局の励みにもなりました。
――第3局は結果的に居飛車になりました。里見さんといえば、振り飛車党ですが、
里見 スタートから自由度が高いので一手一手考えていましたが、自然に指していました。自分があまり指さない形ではありましたが、大きな舞台で指す、試してみたい楽しさが緊張感よりもまさって指してみました。
――充実したシリーズというコメントがありました。どのようなところが充実の要因ですか。
里見 女流王位戦が始まるまでは4時間の棋戦は少なく、長時間への不安はありましたが第1局が長時間の対局で次にも生かせたと思います。
――女流王位戦で西山さんとの戦っての印象はいかがでしたか。
里見 棋風も真逆に近い感じですので、考えていない手が飛んできます。もちろん、そういう怖さはありますが、対応していく楽しさ、読んでいて楽しいという気持ちがありました。リスキーな手が目立つと思いますが、じっくりした展開も好まれていて、ギアチェンジの入れ方が自分とは違う部分を感じます。
――西山白玲・女王とのタイトル戦は7回目の決着です。最初は4連敗を喫しましたが、3連勝で巻き返しています。戦術的、戦略的に変えた部分はありますか。
里見 西山さんだからではなく、自分の中で個性を出せるような将棋を指したいと思っている部分はあります。
――中飛車を多用しているのは、その一環なのでしょうか。
里見 そうですね。中飛車が好きなので、中飛車でも一味違う将棋を指せたらと思っています。