インタビュー
感想戦終了後、改めて西山白玲・女王にインタビューが行われました。
――女流棋士となって女流王位戦は初めての参加で、予選からの挑戦となりました。無敗でここまで来られて挑戦権を獲得されましたが、今期の戦いを振り返っていただいていかがでしたか。
「予選から出させていただいて、凄く新鮮な気持ちで対局させていただいていたというのが一番にあります。リーグ戦はそうそうたるメンバーの中で戦って、1局1局学びがあって、成長させていただいたなと思っています」
――白組リーグはタイトル経験者が集まってハイレベルな戦いでした。そこを5戦全勝で抜けたことについてはいかがですか。
「リーグ表を見たときは長い道のりになるなと感じました。反省点のある将棋も多かったのですが、なんとか勝ち進んで来られたので、運がよかった面もあるかと思います」
――挑戦者決定戦は渡部愛女流三段との対戦でした。こちらは昨年の白玲戦と同じカードとなりました。本局を振り返っていただけますか。
「渡部さんは、事前の準備も凄くされている印象もありますが、一手一手読みを入れて指していらっしゃるなという印象もあって。今日も警戒して指すように心がけていました」
――居飛車が早めに銀を繰り出して攻める展開になりましたが、この形は想定されていた形だったのでしょうか。
「実は全然想定していなかったです。(渡部女流三段が)序盤で10分ぐらい腰を落として考えたところがあったと思うのですが、そこで構想を練られていらした感じがしました」
――これで里見香奈女流王位との五番勝負となります。昨年の秋から冬にかけても2つのタイトルを戦い、この春も本棋戦とマイナビ女子オープンの2つで連続して戦うことになります。里見さんと戦うことは、西山さんにとってどのような意味がありますか。
「上を目指すに当たって、避けて通れない方ですので。盤を挟むたびに、自分に足りないものなどが分かるな、ということを感じています」
――これまでタイトル戦では6回戦って4勝2敗となっています。改めて10番勝負が始まることに、どのような覚悟を持って臨みますか。
「里見女流王位は成績も充実していて大変な相手だなと思います。10番勝負は、あまり深くは考えずに楽しむ気持ちで、それでいて1局1局に悔いのないように挑みたいという気持ちです」
――女流王位戦といいますと、主催新聞社が各地にありまして。北は北海道、南は九州という形で。初戦は兵庫県から始まります。そういった対局場所についてはどう思いますか。
「移動が一つの醍醐味ではあるのですが、その中でも北海道に行くのは初めてだと思うので、そこは純粋に楽しみです(笑)。全国でいつも見ていた旅館で、いままでいろんな対局が行われてきた場所ですので、そこも楽しみたいなと思います」
――昨年の里見さんとの連戦のときは、体力的にも大変だったというお話を以前お伺いしました。体力作りにも最近臨まれているということでしたが、この春も連戦が待っているということで、体力的な面ではいかがですか。
「前回のいろんな予定が重なっていたときの反省点を生かせているかなとは思っていて。日常面でも、次の日に響かないような生活を心がけています」
(書き起こし=八雲、撮影=玉響)