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2020年6月17日 (水)

終局直後

終局直後
(終局直後の様子)

里見香奈女流王位

■防衛した里見香奈女流王位へのインタビュー

── 今シリーズ3度目の居飛車穴熊対中飛車。駒組みの速いペースは予定ですか?

里見 いや、途中で力戦形になり、結構早い段階で予定から外れたのですが、一応自然な手を選ぶように進めていました。

── 8筋の小競り合いのあと、▲1四歩(57手目)と端攻めに出た手応えは?

里見 端に手をつけた辺りは、いいリズムで攻めているかなと思っていました。

── 昼食休憩明け、△1二玉(64手目)を上がられた辺りは?

里見 △1二玉は読んでいなくて、指されて1から考えました。ゆっくりした展開が具体的に分からず攻めていったのですが、すごく過激になってしまって。▲4四銀(65手目)では、もう少し穏やかに指す予定でしたが、実際にその局面を迎えて指してみたくなりました。少し勢いを重視しすぎて、そこからは難しくなったと思います。

── しばらく1筋が焦点でしたが、▲2七銀(87手目)と手厚くした辺りは?

里見 ▲2七銀でこちらの陣形が安定し、加藤さんの攻めに対応していく感じではあったのですが、金銀の枚数が多いので、まずまずかなと思っていました。▲4八飛(99手目)とぶつけた辺りは、駒がさばけて少し指しやすいかと思っていたのですが、そのあとに読み抜けがあり、最後はだいぶ怖い形にしてしまいました。もう少し安全に指すべきだったと思います。

── 読み抜けとは、具体的にどの辺りですか?

里見 ▲3四金(119手目)に△同金だと思っていました。本譜△1三玉とかわされても、こちらが残していたとは思うのですが、実戦的に怖い形になってしまったので。

── 6期目の女流王位獲得になりました。シリーズを振り返って。

里見 戦型に関しては、先後の違いはありますが、居飛車穴熊と中飛車の将棋で、微妙に形を変えて指していました。一局一局が激しく、中盤が難しい将棋が多かったと思います。

加藤桃子女流三段

■敗れた加藤桃子女流三段へのインタビュー

── 3度目の居飛車穴熊でしたが、予定の作戦でしたか?

加藤 はい、そうですね。

── 駒組みがハイペースで進み、端攻めを受けた辺りはどのように感じていましたか?

加藤 端攻めを食らいやすい戦型ではありますが、本譜はそれほど怖くないと思っていて。相手の攻めを催促する△1二玉(64手目)が自分らしい手かなと思っていたのですが、まさかこんな激しくなるとは思わなくて、どちらが1筋を手厚くするかという将棋でしたが、△1七銀(80手目)を放り込んだ方針がどうだったか。▲2七銀(87手目)と上がられて急に里見さんの玉が見えなくなったので、そのあとの数手で間違えたかなという気がしています。途中で読みに誤算があって、▲4八飛(99手目)とぶつけられた局面は自信なかったです。最後に希望が見えて、▲2二角成(115手目)には△同玉で委ねるほうがよかったと思います。

── 3連敗の結果で終わりました。

加藤 同じ戦型でお互いこだわった指し方をしたと思います。形勢に関しても、どちらを持ちたいか分かれる将棋だったと思いますが、割と自分は堂々と指せていたかなと。ただ、結果に結びつかなかったのは残念で、そこは経験を積んでいきたいと思います。

(夏芽)

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