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2011年6月

2011年6月29日 (水)

清水女流六段の粘り

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△5四桂に対して清水女流六段は長考で▲7九角右と引きました。
この手は控室でも「先手に勝ちがあるとすれば、この手しかない」と見られていた一手。依然として先手が勝ちづらい局面には違いありませんが、控室の検討では「進行の一例」として先手が勝ちになる変化も出てきています。

【Twitter解説】
佐藤和俊>68手目△5四桂から▲5五角右△4六歩▲同金△5七桂成が一番粘っていなくてこれは先手投了です。粘るということでは苦しいですが▲7九角右が最善のように思います。

(八雲)

甲斐女流王位、腰を落として考える

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図は17時頃の中継画面。すでに後手勝勢の声が強くなっていますが、甲斐女流王位はこの局面で腰を落として考えています。

「△5四桂と打つと思いますが、それで勝ちきれるかどうか読みを入れているのだと思います」(屋敷九段)

17時10分頃、甲斐女流王位は△5四桂と打ちました。

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(17時20分頃の対局室モニターの映像)

(八雲)

後手優勢……勝勢の声も

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58手▲4八金に△4七歩(左図)とたたいた局面で、Twitter検討陣が一斉に後手優勢の見解。控室でも同じように見られています。
実戦は△4七歩以下、▲同金△4九飛▲4八歩△2九飛成▲1一飛△3七歩成(右図)と進んでいます。

【Twitter解説】
佐藤和俊>53手目▲5五角右は△4三銀も牽制しています。 △1二香でなぜ△4三銀と指さないのか不思議だったのですがそこでも▲5五角右を警戒したのかもしれません。

佐々木慎>54手目△2四飛で決戦になりました。▲同飛△同歩で次の手がわかりませんが▲3四歩か▲4八金などが考えられます 振り飛車がやや指しやすそうです。

長岡裕也>57手目▲4八金では居飛車が辛そうです。ここで一本△5四歩と突けば、角の処置が悩ましいですね。

佐藤和俊>△4七歩は手筋の一手でどう応じても先手は味が悪い格好です。後手優勢だと思います。

長岡裕也>58手目△4七歩に▲同金では辛すぎますね。この場面で一手と一歩を交換するのでは・・・64手目△3七歩成で後手勝勢です。後手は▲7四桂の筋だけ気を付ければ、相当寄らない形になっています。

(八雲)

いよいよ決戦に

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54手目、甲斐女流王位がついに△2四飛(左図)のぶつけを決行。一気に緊張感が高まりました。以下▲2四同飛△同歩▲4八金△4七歩(右図)と進んで、清水女流六段の手が止まっています。

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(16時15分頃の控室。中村真梨花女流二段、安食総子女流初段が新たに検討に加わっている)

(八雲)

長考合戦

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図は16時頃の局面。
先手の▲7五銀は、直接的な狙いのわかりにくい難しい一手。清水女流六段は、手を渡して後手の指し手も難しいと見ているのでしょう。

【Twitter解説】
村田智弘>51手目▲7五銀と今度は中央に使っていきました。後手は△4三銀、△7一玉等やりたい手をしてから、タイミングよく△2四飛とぶつけたいです。先手はそれまでに何かしないといけないですね。

実戦は図から△1二香と進んでいます。
消費時間は▲清水2時間46分、△甲斐2時間43分。

△1二香を見て、控室では「渋い!」の声。
「局面は漠然としすぎていて、よくわかりません。まだ長いですね」とのことです。

(八雲)

決戦は回避

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図は15時30分頃の局面。
△2四飛とぶつければ決戦か、と思われていたところで甲斐女流王位は△5四飛と決戦を回避。長考での決断でしたので、何か成算が持てない順があったものと思われます。

△5四飛を見て控室の声。
「ここまで模様は後手が良かったですが、現実には後手は駒損しています。△5四飛でゆっくりした流れになったので、このまま持久戦になってしまうと駒損が響いてくる可能性がありますね。少し流れがおかしいかもしれません」

森内俊之名人の見解。
「(先手側に座り)こっちに座って何をやるかよくわからないですね。居飛車側から動く手はないので▲6八金など、地味な手でしょうか。とりあえず決戦がなくなって先手は安心しているのではないでしょうか」

【Twitter解説】
佐藤和俊>50手目△5四飛では手の流れからは△2四飛が普通で以下▲同飛△同歩▲3四歩△2五桂▲1一角成(下図)でどうかと思っていました。この変化も難しそうです。
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佐藤紳哉>50手目△54飛の局面、やや振り飛車もちです。この先の形勢は先手の2枚の角が活躍するか負担になるかにかかっているでしょう。

(八雲)

将棋会館売店

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(八雲)

15時頃の局面

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図の局面で甲斐女流王位が長考中。時刻は15時を回りました。
消費時間は▲清水2時間27分、△甲斐1時間44分。

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(15時頃の対局室モニターの映像。清水女流六段は席を外している)

(八雲)

【Twitter解説】佐藤和俊五段、長岡裕也五段の解説

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長岡裕也>43手目▲3五歩の局面(左図)ですが、△2四飛は▲2六歩△4五歩に▲5五銀(右図)と出られ、飛車角の捌きが難しそうです。8六銀型が▲7五銀を含みにしているので、飛車が狭いですね。

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佐藤和俊>44手目△3五同角(左図)は決断の一手ですね。△2四飛▲2六歩が普通ですがそこで指す手が難しく抑えこまれる可能性を危惧したのだと思います。やはり振り飛車側は抑えこまれて何もできなくなるのが駒損よりも怖いことです。

長岡裕也>46手目の局面(右図)は、先手が角、後手が銀と歩が2枚の交換なので、先手が少し駒得。ただ玉の堅さは後手が上。先手玉は特に飛車に弱い形なので注意が必要です。後手の飛車が捌けるかどうかが形勢の分かれ目になります。

(八雲)

14時過ぎの控室

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(本日Twitter解説中の門倉啓太四段。今日は将棋会館内で「VS(練習将棋)」とのこと。この後、Twitter解説をしてから、「VS」に向かった)

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(中川大輔八段も来訪。局面を一目見て、井道女流初段からの質問に的確に答えていた)

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(八雲)

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