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2010年6月 2日 (水)

怪しい雲行き

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図は、清水女流王位が飛車を打ち下ろして反撃に出た局面。この飛車打ちは次に△3九角という「必殺の一撃」を狙っており、先手はとにかく何か受けなければならない。しかしこの受け方が悩ましい。甲斐女王も手を止めて考えている。先ほどまでは「先手がだいぶいい」という雰囲気があったが、今はすでにそんな空気は感じられない。「これは難しくなった」と、関係者らの声。盤上に怪しい雲行きが出てきた。
▲5九歩が最も自然なようだが、△9九飛成▲7八金△5五香の展開は、先手に攻める番が回ってくるのか甚だ怪しい。とすれば先手をとって▲5九飛か。しかしこれとて△6六飛成とされ、6四のと金の身動きがとれない。こうなると▲6四とに一手の価値があったのか、という塚田九段・片上六段両人の見解が納得できる。
バタバタと進んだ飛角総交換で、清水女流王位がうまく立ち回った印象を受ける。さすがというべきか、女流棋士の「第一人者」の名は伊達ではない。

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(文)

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