端で勝負!
図は17時すぎの局面。激しい駒の取り合いで、甲斐女王は香得の戦果を得た。その香を5九に打ち、5筋を制圧。「甲斐ややよしか」と見られていたところに、上の端攻めが飛んできた。端は美濃囲いの弱点で、「ここを攻めればいつでもいい勝負になる」というのは棋士の経験則である。第2局の端攻めを思い出すような突然の仕掛け……かと思いきや、チャット解説の片上六段は「端攻めはかねてからの切り札です。香を手放したところなので、甲斐さんとしてもイヤなタイミングです」と予想の範疇を思わせる語り。清水女流王位は、第2局では端攻めで流れをつかんだ。本局も形勢逆転を引き寄せる一手となるか?
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