« 2010年5月 | メイン | 2011年3月 »

2010年6月

2010年6月 2日 (水)

本日の棋譜

226
「全体的に、お二人の持ち味がよく出た将棋でした。序盤は甲斐さんのほうが指せていたと思いますが、本人はそれほど形勢について深く考えてなかったのではないかと思います。中盤の競り合いが印象に残ります。お互いに力を発揮していたと思います。勝敗を分けたのは、端の攻防でした。▲2六金と補強した手に対し、△2五銀~△4五角が巧妙な攻めでした。 最後は私ならトン死していたようですが、△2五銀~△3五金が決め手となりました。甲斐さんとしては、やはり▲5一歩成で▲3九桂と受けておくほうが良かったように思います。前2局同様、本局も熱戦でした。読み筋は合ってないようにも思うのですが、中終盤の波長は案外合っているのかもしれません。次も熱戦必至と思います」(片上大輔六段)

第3局は清水女流王位の勝利。これでスコアを1-2とした清水女流王位は、フルセットを目指して第4局に臨む。第4局は徳島県徳島市、「ホテルクレメント 徳島」で6月17日(木)に行われる。

161

(文)

感想戦

212

214

219

(文)

インタビュー

1721
【清水市代女流王位】
「▲8二歩(41手目)が残るような展開になればよくできると思って、積極的にいきました。最後は一手勝ちだと思っていました。勝ちを意識したのは、本当に最後の最後です。時間がなかったので、最後まで気が抜けませんでしたね。角で桂馬を取った手が攻防になって、ようやく確信しました」

1871
【甲斐智美女王】
「こちらの玉が薄くて、暴れられる展開なので、ずっと難しいと思っていました。最後は……そうですね、何か受ける手があったかもしれないですね」

(文)

終局直後

162
(終局直後の清水女流王位。表情が厳しい)

163
(インタビューに答える)

179
(甲斐女王。うなだれているように見える)

(文)

清水女流王位、勝利。スコアを1勝2敗に

20100602_124_2
図の△3六角まで、124手で清水女流王位の勝ちとなった。終局時刻は19時5分。 「先手玉は△2七桂▲2八玉△1九銀▲1八玉△1七歩という詰めろになっていて、適当な受けもありません」と片上六段。清水女流王位は1勝を返し1勝2敗。第4局は6月17日(木)「ホテルクレメント徳島」にて行われる。

(文)

後手勝勢

20100602_120_2
清水女流王位も先述の詰めろを読み切っていた。詰めろを受けつつ、玉頭から着実に先手玉を追い込んでいく。ここまで来ればもう間違えないだろう。控え室は後手勝ちと結論を出した。

(文)

▲4一とが詰めろ! 驚愕する控え室

「実は▲4一とが詰めろでは?」詰みを検証してみると、なんと▲4一とで後手玉に詰めろがかかっていた。コンピュータは▲1四桂△同香▲2一金以下、27手の詰みを答えとして返してきた。その詰み筋を控え室の検討陣に伝えるとほぼ同時に、モニタに着手する甲斐女王の手が映る。
20100602_111
甲斐女王は▲4一とが詰めろであることを読み切っていたに違いない。控え室にいた誰もが驚きを隠せない。チャット解説の片上六段も「▲4一とって詰めろだったんですか。全然気づきませんでした」と正直に告白。後手玉は逃げ場が広いようだが、▲5九香と▲3六桂がよく利いていて見た目よりも狭い。しかし形勢は片上六段曰く「正確に指せば後手が勝ちそうだと思います」とのこと。

(文)

一気の寄りか!?

果たして清水女流王位は攻めきることができるのか。議論と検討が重ねられていたところへ、甲斐女王の▲5一歩成(下図)がモニタに映る。「えっ?」身を乗り出し、にわかに色めき立つ控え室。
20100602_105
この▲5一歩成、次に▲4一とと金を取ってもほとんど詰めろにならない(※)。清水女流王位にとっては何よりも貴重な一手を得たことになる。終盤で「一手自由に指せる」ことの価値は途方もなく高い。実戦は△2七香成▲同銀△同桂成▲同玉△4七馬(下図)と進んだ。
20100602_110
次に△2九馬と入れば先手玉はほぼ受けなし。▲3八香は△3五歩~△3六歩でほぼ必死となる。▲3八金は△1八銀▲同玉△3八馬▲2七銀△3六角!があり、これも寄っている。「これは寄ってしまったのでは」「甲斐さんは▲3八金と受ける予定だったのでは……」と、控え室は清水女流王位勝ちのムードが漂う。

※……この検討が行われていた当初、控え室は▲1四桂以下の詰みに気づいていなかった。

(文)

清水女流王位、攻める

20100602_94
図は清水女流王位が角を打った局面。甲斐女王の▲5二歩をチャンスと見て、先手の玉頭に狙いを定めた。放っておくと△2六銀▲同歩△2七金と一気に玉を裸にされる順があり、先手としては相当怖い。▲5二歩がチャンスというのは、攻めるには次に▲5一歩成~▲4一とと手数がかかるため、スキができるという意味だ。実戦は上図から▲2五金△同桂▲2六銀△1七歩成▲同香△同桂成▲同銀△2四香と進んだ。
20100602_102
甲斐女王は相手の攻め駒を引きつけて受ける。清水女流王位は攻め続けなければならない。▲5一歩成以下の確実な攻めが回ってはおしまいだ。18時をすぎ、両者の持ち時間もそろそろ残り少なくなってきている。しばらくは清水女流王位が攻めをつなげることができるか、がポイントになりそうだ。

(文)

旧伊藤伝右衛門邸ギャラリー (8)

■洗面所・浴室
159

160

「洗面所の鏡縁には英国ビクトリア様式の装飾を施し、格調高い造りです。浴室の天井は湯気抜きが網代風に造られています。檜風呂に推定復元しています。」

(文)

カテゴリ

ブログ内検索

  • Loading