梅田さんからの質問はこちら。
【回答:遠山雄亮四段】
△4三金右と上がった事を考えると山崎七段は上部に手厚い陣形を作ろうとしています。そのため、▲2八飛には△3五歩(参考図)と位を確保する事が大切です。
そうして上部をしっかり固め、それからしっかり玉を囲う。具体的には△4二玉~△3一玉~△2二玉。あとどうやって攻めるかとかはそこまでいってから考えればいいです。
まずは(1)上部を手厚く。そして(2)玉をしっかり囲う。これが山崎七段の今後の構想となるでしょう。
(31手目▲3七銀の局面での質問です)
控え室では谷川先生が、△4三金右▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛(谷川予想図)と、ここまではいくのではないかとおっしゃっています。その局面から、山崎七段はどういった構想で駒組みしていくのでしょうか。
立会人の桐山九段に現局面についてのコメントをいただきました。
「すぐに戦いにはならないでしょう。先手の2六銀と後手の3四銀・5四銀の3枚の駒がどう動くか注目です。先手は▲3七銀と引くか、2六銀と置いたまま指していくか。後手は△4三金右~△4二玉~△3一玉まで指せれば離れ駒もなく、がっちりした形になりますが攻める手ではないです。△4五銀右と先手にプレッシャーをかけるような手もありますね」
(翔)
【五段向け担当:北島忠雄六段】
後手の一手損角換わり対先手棒銀の戦いになりました。
昼食休憩の局面、先手は一歩を手持ちにしたことと、後手の陣形を乱したことが主張ですが、手数を多くかけて進出した銀ですから、この程度の得では、まだ元手を取り戻したとは言えません。具体的には▲3七銀~▲5六歩~▲4六銀~▲5五銀と銀を立てなおし、中央に使って行く順が一例で有力な変化です。
対する後手は、乱された陣形を、いかにまとめて行くかが力の見せ所。あと、△8一桂の活用や、先手の飛のこびんを狙う角打ち(△6五歩から△6四角)が有力な狙い筋となります。
現局面は7月9日に行われた棋聖戦、羽生ー木村と同一局面になっています。その将棋は、結果は先手を持った羽生さんが勝ちましたが、内容的には後手の木村さんが押している将棋でした。羽生さんが、どのような修正案を準備してこの対局に臨んでいるか楽しみですし、今後の解説で詳しくお伝えして行きたいと思います。
【初段向け担当:片上大輔六段】
梅田さんこんにちは。この局面のポイントはただひとつ、2六の銀をどう活用するかです。
常識的には▲3七銀と引いて2筋交換。しかし後手はそれに対して、△4五銀右~△3六歩という反撃を狙っているのです。それで、羽生王座は銀の動きを保留しているのでしょう。
この局面で後手の候補手は△4二玉(玉を囲う)、△6五歩(△6四角を見せる)、△9四歩(桂の活用を見せる)のいずれかです。羽生王座は相手の次の手によって、攻めの構想を変えていくことになりそうです。特に△4二玉の場合は、玉が近づいたということで▲1六歩~▲1五歩の攻めも有力になります。