自宅解説棋士から梅田望夫さんへの回答(1-1)
【5級向け担当:遠山雄亮四段】
先手の羽生王座は棒銀で攻めの姿勢を見せました。後手の山崎七段としては序盤で一手損をしているので、しばらくは受けにまわる方針になるでしょう。お互いの方針がハッキリしています。
棒銀の場合、▲2六銀が5段目に出られると成功となります。例えば▲3五歩に△同歩▲同銀となれば成功といえるでしょう。以下△3四歩には▲2四歩(参考図)で、△3五歩には▲2三歩成、△同歩なら▲同銀△同銀▲同飛で攻めの銀が守りの銀と交換になって先手有利といえます。
そこで後手の山崎七段は、「△1四歩」そして「▲3五歩を取らない」事で棒銀を5段目に出させないようにしました。
この場合、先手の羽生王座としては▲3七銀と引いて立て直しを図る事になります。銀が2六の地点に取り残される事だけは避けなくてはいけません。
まだまだじっくりした戦いで、夕食休憩までは本格的な戦いにならない事が予想されます。
昼食の注文を見ても、羽生王座も山崎七段もご飯物で、じっくりした戦いを想定していそうです。これが麺類やパン系だと、昼食休憩後に激しい戦いになると考えている場合があります。
5級の方だと手の意味などが分かりにくい点もあるかもしれませんが、そうして盤上だけではなく盤外にも注目しながら観戦されると、なお一層面白さが増すと思います。