自宅解説棋士から梅田望夫さんへの回答(1-3)
【五段向け担当:北島忠雄六段】
後手の一手損角換わり対先手棒銀の戦いになりました。
昼食休憩の局面、先手は一歩を手持ちにしたことと、後手の陣形を乱したことが主張ですが、手数を多くかけて進出した銀ですから、この程度の得では、まだ元手を取り戻したとは言えません。具体的には▲3七銀~▲5六歩~▲4六銀~▲5五銀と銀を立てなおし、中央に使って行く順が一例で有力な変化です。
対する後手は、乱された陣形を、いかにまとめて行くかが力の見せ所。あと、△8一桂の活用や、先手の飛のこびんを狙う角打ち(△6五歩から△6四角)が有力な狙い筋となります。
現局面は7月9日に行われた棋聖戦、羽生ー木村と同一局面になっています。その将棋は、結果は先手を持った羽生さんが勝ちましたが、内容的には後手の木村さんが押している将棋でした。羽生さんが、どのような修正案を準備してこの対局に臨んでいるか楽しみですし、今後の解説で詳しくお伝えして行きたいと思います。
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