図は▲8七歩と打った手に、歩を成ったところ。▲7七同銀は△8七飛成、▲7七同桂も△5六飛▲同歩に△3五角が王手飛車、▲8六歩も△8八と▲同玉に△4四角が王手飛車です。
実戦は▲8六歩△8八と▲6八玉△8九とと進みました。
控室の評判は「後手が優勢を意識していてもおかしくない」。藤井王座がリードを奪ったようです。△8九とに伊藤叡王が手を止めています。▲6六歩と突いて△7六桂に▲6七玉と粘るか、▲8二飛の勝負手を放つか。残り時間の差は広がっています。
(午前中の控室でも、△7七歩成の筋は指摘されていた。現在は心配が現実になっている)
(真っ先に指摘したのは佐藤康九段……だが、自分で考えたあとにAIを見たら書いてあったという)
12時10分、この局面で昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲伊藤2時間17分、△藤井52分。昼食の注文は、藤井王座がシーフードラクサとパイナップルジュース、伊藤叡王はシンガポールチキンライス(海南ポークチキン、パンダンジンジャー香るご飯、ピクルスとコラーゲンアワビの鶏スープ添え)と冷たい緑茶。対局再開は13時です。
ラクサはシンガポールやマレーシアを代表する東南アジアの麺料理で、香辛料やハーブを使った独特のスープが特徴。主に酸味のあるタマリンドベースのものと、ココナッツミルクを使ったクリーミーな2種類に大別されます。
シンガポールチキンライスは、茹でた鶏肉と鶏だしで炊いた香り米、チリやショウガなど特製ソースが添えてあるのが特徴。炒めたご飯に鶏肉を混ぜてトマトケチャップで味をつける、いわゆる日本のケチャップライスとはまったく異なります。
(武蔵)