伊藤叡王が仕掛ける
図は10時16分の局面。伊藤叡王が▲1五歩と仕掛けたところです。前例の2局では▲2四歩△1三桂と進んでいたところで、2分での着手に研究がうかがえます。行方九段は「受け方が分からないです」と述べ、図以下△1五同歩▲3四銀△同金▲1二歩△8八角成▲同銀△2四歩▲1一歩成△3三桂▲2一と△4二銀▲2二と△2五桂▲3二と△5一銀に▲4一との順をスラスラと示しました。△4一同玉は▲2三角が王手金取りで「そう進めばハマっていますね。現局面からもし藤井王座が30分以内に指せば、研究が行き届いているのだと思います」と解説しました。その後、藤井王座は17分で△1五同歩を着手。さらに▲3四銀△同金▲1二歩までスラスラ進むと、行方九段は「あー、やっぱり両者とも研究順なんですね。このあと藤井王座が▲4一とまでの進行のどこで変化するかです」との感想を述べました。
(潤)