後手勝勢
図は▲6一馬と飛車を取った局面。後手の△5七銀が厳しく、勝勢と見られています。
(吟)
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図は▲6一馬と飛車を取った局面。後手の△5七銀が厳しく、勝勢と見られています。
(吟)
今期は令和初の王座戦五番勝負。平成初の王座戦五番勝負第1局をご紹介します。
平成元年の王座戦五番勝負は、第37期(1989年度)の中原誠王座-青野照市八段戦です。前年、中原は塚田泰明王座にリターンマッチを挑み、王座に復位したばかりでした。青野八段は36歳にしてタイトル戦初登場で、「30歳を過ぎて、初めて見合いをする心境」と語ったとされます。
第1局は9月1日、東京都千代田区紀尾井町「福田家」で行われました。
戦型は角換わりから、青野八段が棒銀に出ました。図から△5四角(▲2四歩△同歩▲同銀に△2七歩を用意)▲3八角(次に▲2四歩△同歩▲同銀△2七歩▲同角△同角成▲同飛と攻める)の定跡から、先手が角2枚、後手が飛車2枚の乱戦に進みます。
△4四金に▲8八角△5五銀▲5六角が絶品の角使いで、飛車を目標にして青野八段がリードを奪いました。
中原王座は△4七金! ▲同銀△6九飛の勝負手を繰り出して差が縮まりますが、青野八段が粘り強く指し、129手で押し切りました。第2局は中原王座、第3局は青野八段が制します。青野八段は初タイトルにあと一歩まで迫りましたが、そこから連敗して奪取はなりませんでした。
先手:青野 照市
後手:中原 誠
▲7六歩 △8四歩 ▲7八金 △3二金 ▲2六歩 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲2五歩 △3三銀 ▲2七銀 △7四歩
▲2六銀 △7三銀 ▲1五銀 △5四角 ▲3八角 △4四歩
▲2四歩 △同 歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 飛 △3三金
▲2五飛 △2四銀 ▲2八飛 △2二飛 ▲6六銀 △2七歩
▲同 飛 △同角成 ▲同 角 △3五銀 ▲2八歩 △4五歩
▲5五銀 △4二玉 ▲3八金 △7五歩 ▲4五角 △5二金
▲3六歩 △4四銀 ▲同 銀 △同 金 ▲8八角 △5五銀
▲5六角 △6四銀上 ▲8三角成 △7三桂 ▲5六歩 △6五桂
▲5八銀 △8六歩 ▲同 歩 △7六歩 ▲5五歩 △7七歩成
▲同 桂 △同桂成 ▲同 角 △6五桂 ▲6八角 △7六歩
▲8九桂 △5五金 ▲7九歩 △1四歩 ▲8四馬 △1五歩
▲6六歩 △7七歩成 ▲同 桂 △同桂成 ▲同 角 △7六歩
▲8八角 △7七桂 ▲5六歩 △同 金 ▲4五銀 △5五銀
▲5七歩 △4七金 ▲同 銀 △6九飛 ▲4八玉 △4六歩
▲5八銀 △2九飛成 ▲5六歩 △3三桂 ▲3四銀 △5六銀
▲2三桂 △3一桂 ▲7四馬 △4五銀 ▲4三歩 △同 金
▲同銀成 △同 玉 ▲4四歩 △3二玉 ▲3一桂成 △同 玉
▲4三歩成 △4七銀 ▲同 銀 △同歩成 ▲同 馬 △5六桂
▲5七玉 △4六歩 ▲3二金 △同 飛 ▲同 と △同 玉
▲4四桂 △2三玉 ▲3二銀
まで129手で先手の勝ち