2016年1月

2016年1月11日 (月)

69図は15時40分頃の局面。
検討陣は後手から攻める手を探していましたが、どうしても見つからずさじを投げました。検討例をいくつか挙げます。(1)△8六角▲同歩△9七桂成▲同香△8七香▲同金△6九竜は▲8九角で先手よし。(2)△7七桂成▲同銀△8五桂▲8六銀△同角▲同歩△7七香は▲同金寄△同桂成▲同金と清算されても後手自信がないとのこと。また(1)の攻めを含みに(3)△6九竜とにじり寄る手には▲7九歩がしっかりした受けで、後続手がないといわれています。
Twitter解説の広瀬八段も後手の手が見つからないとして、先手優勢と判断しています。

「差がついている気がします。終盤前に投了ということもあるかもしれないぐらいです」(神谷八段)

■Twitter解説■
広瀬章人>現局面で後手の手を一生懸命考えていますがなかなか浮かびません。△8六角の筋はコメント欄の通りうまくいかなさそうです。△7七桂成▲同銀△8五桂▲8六銀と進んでたとしても攻めをつなげるのは容易ではありません。(先手優勢)

Img_6615城主の屋敷として利用されていた掛川城の二の丸。

67_2時刻は15時半を回りました。
後手は飛車交換後、ひとまず△2二玉と入りました。先手はその間に飛車を下して香を取っています。

Img_6702中村修九段が大盤解説から戻り、神谷八段、中座七段と検討陣が3人揃いました。見解は先手優勢で一致しています。

「ひとりで解説だと、ボケても誰も突っ込んでくれないからつらいです(笑)」(中村修九段)
「仕事だから我慢しなさい」(神谷八段)

5715時過ぎ、後手が▲6六歩の飛車取りに△7七歩と飛車取りへ切り替えした局面で、先手は強く▲6五歩と飛車を取り合う道を選択しました。ほかに▲7七同桂などで飛車の取り合いを回避する順も検討されていましたが、郷田王将が踏み込んだ格好です。
図から△7八歩成▲同金までは必然。そこで後手の指し手が注目されます。

Img_6614天守閣の敷地から臨む対局場の二の丸茶屋。

2日目15時、最後のおやつは郷田王将が「ホットコーヒーと何か甘いものを」という注文で、急遽、抹茶生チョコレートとマロングラッセが用意されました。羽生名人は「フルーツ盛り合わせ」と「レモンティー」です。

Img_6696抹茶生チョコレートとマロングラッセ、ホットコーヒー。

Img_6698羽生名人は定番のフルーツ盛り合わせとレモンティー。

5214時10分頃の局面。激しくなりそうでならない、じりじりとした展開が続いています。しかし、そろそろ戦いが激化する雰囲気です。

Img_6693控室には静岡県出身の青野照市九段(焼津市出身)、神谷広志八段(浜松市出身)が来訪。

現局面から後手が攻める変化をいくつか検討していますが、先手よしの変化もあれば、後手よしの変化も出ています。神谷八段にどちらを持ちたいかたずねたところ、「後手を持って攻めを続ける自信がないので先手持ちです。玉の位置が2二なら全然違うんですが」とのことでした。

Img_6206掛川城の敷地内は広い公園になっており、市民の憩いの場だ。

Img_6191子どもが走り回れる広場がいくつもある。

Img_6217お散歩コースにもよさそうだ。

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Img_6187対局場の二の丸茶室。普段は掛川茶を味わえる。

4912時30分、図の局面で羽生名人が12分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲郷田5時間27分、△羽生5時間29分。昼食は郷田王将が「ビーフカレー」、羽生名人が「松花堂弁当」。どちらも別皿でイチゴが添えられるとのことです。

Img_6636ビーフカレー。

Img_6643松花堂弁当。

掛川市のシンボルである掛川城。天守閣は山内一豊によって1596年に建立されました。その後、大地震で倒壊し失われましたが、発掘調査を行い1993年に木造で再建されました。

Img_6597_2掛川城の正面より。対局場の二の丸茶屋は向かって右手にある。

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Img_6611天守閣に至る路は細く険しい。

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