2016年1月

2016年1月23日 (土)

検分が終わり、両対局者は控室で色紙や和紙などへの揮毫を行いました。

郷田王将

揮毫

羽生名人

揮毫

このあと18時より「夢ランドしらさぎ」で、前夜祭が行われます。そちらの模様はのちほど更新いたします。

郷田真隆王将に羽生善治名人が挑戦する第65期王将戦(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催、囲碁・将棋チャンネル協賛)七番勝負。第1局は郷田王将が勝ち、防衛に好スタートを切りました。

続く第2局は1月24日(日)、25日(月)、島根県安来市「さぎの湯荘」で行われます。先手は羽生名人。持ち時間は各8時間。開始時刻は両日とも9時。封じ手時刻は18時。昼食休憩は12時30分から13時30分です。

立会人は森下卓九段、副立会人は阿久津主税八段、記録係は梶浦宏孝四段、現地大盤解説の聞き手は飯野愛女流1級が務めます。

郷田真隆王将羽生善治名人

さぎの湯荘

【棋譜中継】

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囲碁・将棋チャンネル「将棋プレミアム」では、1日目の対局対局前から2日目の感想戦まで、完全生中継でお届けします。2日目の解説は佐藤紳哉七段、聞き手は記者の内田晶さんです(1日目の解説はありません)。

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対局当日は、Twitterサイト「日本将棋連盟モバイル」アカウントからプロ棋士による解説を配信します。1日目の解説は阿部隆八段、2日目は畠山鎮七段が担当します。

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※アカウント登録が必要です(無料)。

【現地大盤解説会】

<会場>安来節演芸館(定員300名)

<日時、料金>
・1月24日(日) 13時から封じ手まで(無料)
・1月25日(月) 9時から終局まで(料金1,000円)

【関連リンク】

スポーツニッポン新聞社
毎日新聞社
日本将棋連盟
囲碁・将棋チャンネル
島根県安来市、安来市王将戦開催実行委員会


インターネット中継は、棋譜・コメントを潤記者、当ブログは夏芽が担当します。どうぞよろしくお願いいたします。

2016年1月11日 (月)

感想戦の前に両対局者が大盤解説会場へ足を運びました。

Img_6795満員のお客様に両対局者が挨拶。一言ずつ感想を語った。

Img_6774「(ポイントのわかりづらい将棋でしたね、の問いに)▲7八飛(41手目)とか玉飛接近で普通は悪い形ですし、よくわからない将棋でした」(郷田王将)

Img_6794「もう少しうまく攻められなかったかと思うんですが……。どこかでおかしいことをしてしまったんでしょうね」(羽生名人)

Img_6713終局直後、主催紙によるインタビューが行われた。

Img_6727先勝した郷田王将。

【郷田王将の談話】

――序盤の▲6八玉(19手目)が珍しい構想といわれていましたが。
「あ、そうですね。△3三銀(18手目)がちょっと早かったので、やってみようかなと」

――1日目が終わった段階では、どのように思っていましたか。
「ちょっと頑張りすぎたのか、そうでもないのかと。(陣形が)バラバラですからね。ただ、そういう指し方を選んだので仕方がないか、という感じで」

――2日目に入りまして、玉の近く(7筋)から攻めました。
「もう行かないと、作戦の一貫性がないので仕方がないかと」

――どのあたりでよくなったと思われましたか。
「飛車交換して、と金ができて。少しやれるかな、という感じですかね。▲8二竜と引いたところでは、と金の分だけちょっとやれるかなと」

――勝ちになったのはどのあたりだと思われましたか。
「ああ、いや、詰ますまではまだまだ大変だと思っていましたので」

Img_6756羽生名人は淡々と振り返った。

【羽生名人の談話】
――後手番になって、矢倉も予定のうちだったと思いますが、相手の早囲いは予想されていましたか。
「いえ、何になるかはわからなかったです。ただ、▲6八玉に対して、どう対応するかがよくわからなかったです。ちょっと本譜の展開は危険だったかもしれません」

――1日目を終えられた段階では、どのように感じていましたか。
「ちょっと忙しい局面になってしまったかなと思って指していました。そのあと、どういう展開になるか予想できなくて。うーん、何かうまくまとめる手順がなかったですかね」

――いまの段階で、ここが悪かったというのはありますか。
「これがはっきり悪かったというのは、いまの段階ではわからないですね」

――最後の投了は、あのあたりで。
「もうちょっと早く投げようかと思ったんですけど。まあ、ここはダメだということですね」

8017時15分頃、羽生名人は△7七桂成とさばいてから、取った桂を△7二桂と打ちました。控室では「気の早い人なら投げても……」と、いわれていたところで放たれた辛抱の一手です。羽生名人の鬼の粘りが見られるでしょうか。

Img_6218掛川城公園の弁財天像。

77時刻は17時を回りました。
羽生名人は苦しい状況の中で、持ち駒の補充を求めて△4五香と打ちました。対して▲8六角△4六香▲同歩と郷田王将は銀を取らせて丁寧に対応しています。後手は銀香交換で部分的には駒得ですが、持ち駒の数自体は増えていません。検討陣は差が開いたと見ています。

■Twitter解説■
広瀬章人>77手目▲4六同歩は普通といえば普通の手ですが郷田王将が指すと「格調高い」というフレーズをつけたくなります。局面はすでに終盤戦なので緩手になりかねないのですが△4七香成とされると歩切れを解消されてしまう上に攻め駒が一枚増えてしまいます。(先手優勢)

Img_6622敵兵を寄せ付けない、掛川城の武者返し。郷田王将の城も後手の攻めを跳ね返している。