女流王位戦中継Blog

現地では大盤解説会が始まりました。

（解説は木村九段）

（聞き手は中井女流六段）

（とかちプラザ２階のホールで行われている）

（雨はあがり、気持ちよく晴れた）

（牛蒡）

渡部女流王位は高橋まんじゅう屋の大判焼き（あずき）とほうじ茶、里見女流四冠は柳月のかしわ餅とミルクティー。

高橋まんじゅう屋は行列のできる帯広の名店。大判焼きが名物です。渡部女流王位も子どもの頃から通っていたそうです。毎週水曜が定休日ですが、渡部女流王位のためにと特別に焼かれました。餡はあずきとチーズがあり、見分けるために通常は「チーズ」の焼き印を押すのですが、今回は特別に「勝」や「祝」の焼き印も用意されました。控室には「あさひや」のケーキが差し入れられました。こちらも帯広の有名店です。

（渡部女流王位のおやつ）

（里見女流四冠のおやつ）

（控室にケーキの差し入れ）

（牛蒡）

先手は飛車角銀桂で５三の地点を狙ってます。一方で自陣の金銀３枚は不動。非常に積極的な構えです。後手は美濃囲いで玉を守り、５三の地点も飛車金銀で守っています。先手は攻め、後手は守りで力をためています。里見女流四冠は図から△４五歩と角筋を通しました。

（休憩明けの里見女流四冠）

（牛蒡）

――渡部女流王位との出会いを教えてください。

中井　2007年の第48期王位戦がホテル日航ノースランド帯広で行われて、そのときの指導対局で会ったのが初めてだったと思います。そのあとも北海道のイベントで何度か会ううちに、女流棋士を目指そうという話になりました。LPSA（日本女子プロ将棋協会）の女流棋士育成プログラムに入って、うちの研究室で将棋を指して。当時の愛ちゃんは北海道から東京まで通っていました。

――渡部女流王位は昨年タイトルを獲得しました。

中井　プロを目指していた頃から、「里見さんとタイトルを争えるようになりなさい」と話していました。里見さんは当時からホープでしたから。名前が「マナカナ」（※）という理由もありましたけど（笑）。昨年のタイトル獲得は驚きました。愛ちゃんも棋力が伸びていたので、獲ってもおかしくないとは思いましたが、それでも里見さんに勝つのは大変なことなので。

※タレントの三倉茉奈さんと三倉佳奈さんは「マナカナ」と呼ばれ、将棋を題材にしたドラマ「ふたりっ子」にも出演した。

――今後の女流棋士界には何を期待しますか。

中井　女流棋士がもっと増えて、男性棋士にも互角以上に戦えるようになるといいなと思います。里見さんも愛ちゃんも昨年度は男性棋士にたくさん勝ちました。そういう時代に入りつつあると思うと感慨深いです。

――木村九段についても教えてください。故・佐瀬勇次名誉九段門下の姉弟弟子ですね。木村九段は前夜祭で「頭が上がらない」と話していましたが。

中井　木村九段が小学２年生の頃から知っています。かわいかったですよ。私は「まるこめくん」と呼んでいました。私は当時、師匠の家で内弟子をしていました。木村九段は千葉に住んでいて、週末は東京の道場で将棋を指し、師匠の家に泊まってから千葉に帰るんです。師匠の家ではいつも「広恵ちゃん、将棋指して」と言ってきてね。私が２枚落ちの上手なのに、「教えて」ではなくて「指して」って。数えきれないくらい指して、手合いの差は短期間で縮まっていきました。

（中井女流六段）

（牛蒡）

大盤解説会のプレゼント用色紙の一部です。現地解説会の情報はこちら。

（牛蒡）

（仕掛けた渡部女流王位）

（里見女流四冠の対応が注目される）

（午後の対局が始まった）

（牛蒡）

（休憩中の盤面。今回使われている駒は「玉」将がないのが特徴）

（休憩中の対局室）

（とかちプラザには和室が数室ある）

（牛蒡）

図の局面で昼食休憩に入りました。休憩は12時から13時まで。ここまでの消費時間は▲渡部１時間16分、△里見１時間33分（持ち時間は各４時間）。昼食は両者とも特製御膳です。主菜と飲み物はチョイスメニューになっており、渡部女流王位はサーモンの西京味噌漬け焼きとほうじ茶、里見女流四冠は豚肉の味噌漬け焼きとホットコーヒーを選びました。

（渡部女流王位の昼食）

（里見女流四冠の昼食）

（牛蒡）

11時24分、渡部女流王位が▲２四歩△同歩▲５五歩（図）と仕掛けました。図から△３二銀▲５四歩△同飛▲５五銀に（１）△７四飛▲２六飛や（２）△５一飛▲４四銀△２二角が検討されています。（２）は先手が押し込んでいますが、角を引かれたあとの指し手が難しいようです。

（渡部女流王位が先に動いた）

（牛蒡）

とかちプラザは1995年７月３１日に竣工。駅前という好立地で、学生涯学習センター、消費生活アドバイスセンター、情報コーナー、軽運動室、トレーニングルーム等を併設した施設です。日本将棋連盟十勝支部を中心に将棋イベントも数多く開催されています。渡部女流王位は「何百回と訪れている」と話していました。

（館内は１階から６階ま吹き抜け構造）

（帯広市と徳島市と産業文化姉妹都市。第４局は徳島で開催される）

（正面入り口前の生垣は、ちょっとした迷路になっている）

（隣接する広場にある噴水は、定期的にミストを噴出する）

（暑い盛りは子どもたちに人気なのだとか）

（牛蒡）