終局直後
(伊藤沙恵女流三段は2回目の女流王位挑戦)
――本局を振り返って。
伊藤 先手が急戦を見せたので、それに対応していく将棋でした。中終盤は難しかったですが、馬を作れば本譜のような方針になるのかなと思いました。手厚さを意識して指しました。
――2017年以来の女流王位戦五番勝負です。
伊藤 挑戦できてうれしく思います。2017年の挑戦は、自分の中ではかなり前という感覚です。またいい将棋を指せればと思います。
――里見香奈女流王位について。
伊藤 ずっとトップにいる方で、強いのは重々わかっています。自分のできることを一生懸命やっていきたいと思います。
――今期の女流王位戦を振り返って。
伊藤 重厚な組み合わせが多かった印象があります。どの一局も大変でした。結果がよかったのはうれしいですし、自信にもなりました。
(甲斐智美女流五段はこれが最後の女流王位戦となった)
――本局の序中盤はいかがでしたか。
甲斐 一手一手が難しい将棋でした。模様としてはまずまずかなと思っていたのですが、大局観が悪かったというか、銀を打っていったあたりは攻め急いでしまった気がします。自陣左の壁がたたってしまったので、もうちょっとゆっくり、左側の駒を盛り上げるような感じで指したほうがよかった気がします。
――今期の女流王位戦を振り返って。
甲斐 リーグ戦の一局一局から内容の濃い将棋が多かったので、指していてすごく勉強になりました。いろいろな方と指せてよかったなと思います。
――女流王位は4期獲得されました。本棋戦にはどのような印象を持っていますか。
甲斐 いちばん思い入れがあるというか、五番勝負にも何回も出させていただいきましたし、持ち時間も長い棋戦なので、対局に集中できる環境を作ってくださっている棋戦だなと思っています。