終局直後
(直ちにインタビューが行われた)
――序盤の駒組みについて
里見 早めに▲8五飛(29手目)と引かれたのがありそうでない力戦の形で、どういう方針でいくか、一手一手考えて指していました。
――64手目△6二飛は47分の長考だった
里見 △3五歩を入れるかどうか、どちらもよしあしがあって判断がつかなかったのですが、本譜なら駒得ができる展開かと思っていました。
――74手目△4四歩で角と銀銀の2枚換えになったあたりは?
里見 読み筋でまずまずかと思っていたのですが、具体的にハッキリした手が見えませんでした。
――1筋に手をつけてから84手目△7八銀はゆっくり指す方針だったのか?
里見 駒が違う方向にいくのですが、先手も8九の桂を活用する展開になると急にこちらも忙しくなります。攻め合いで勝てる順が分からなかったので、駒得重視の穏やかな展開でいこうと思いました。△5四銀(90手目)がおかしかったかもしれません。▲3二角であまり思わしい手がなかったので……。でも、局面自体は難しいかと思いました。
――終盤戦の手応えは?
里見 △6五香(102手目)と打ったからには、▲3三角成に△同飛から踏み込むべきだったかなとも思ったのですが、あまりハッキリした成算が持てなかったので。それ以降、(111手目▲8三桂成で)飛車を取られたあたりは苦しいと思っていました。
――勝ちを意識したのは?
里見 本当に最後、△7八銀と打ったところ(最終手)ですかね。
――序盤について
山根 6筋の歩を交換されて▲6六歩(49手目)と打つことになったので、受ける展開になるのかなと思ったのですが、▲3六銀(57手目)から攻めていきました。予想していたのとは違う展開になってとても難しい将棋だったので、形勢判断がよくできませんでした。
――中盤について
山根 (76手目△1六歩と)端に手をつけられたのですが、反対側から攻められる筋を読んでいたので、1筋のほうから攻められるのを見落としていました。相手に銀を3枚持たれているうえ、7三に飛車がいる形が堅く相手玉が寄らないので、少しい苦しいのかと思っていました。
――終盤について
山根 難しすぎてよく分かりませんでしたね。
――初のタイトル戦の将棋を指してみて
山根 緊張するかと思いましたが、対局が始まると将棋に集中できたかと思います。
――持ち時間が各4時間の将棋について
山根 この時間まで女流棋戦で指したことがなかったのですが、結構あっという間だったという感じです。