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2020年6月

2020年6月 9日 (火)

開始1時間少々とは思えない局面

20200609_50両者引かずの攻め合いで、局面はすでに終盤戦の入り口です。中田功八段からは「午前中に終盤になっちゃう。私の昼食が喉を通りません」や、「もう指したよー」など、あまりのペースにたじたじといった声が漏れます。

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(虹)

戦型はゴキゲン中飛車

20200609_39里見香女流王位のゴキゲン中飛車に対し、加藤桃女流三段は居飛車穴熊を採用しました。ここでなんと△3五歩と後手から動いていきました。

Img_4126_h0930 (関係者に解説中の中田功八段は「最初の分岐点です」。激しい展開が選ばれた形だ)

(虹)

対局開始前後の様子(2)

Img_4042_am01_2 (先に入室したのは加藤桃女流三段。8時43分だった)

Img_4061_am02 (里見香女流王位は8時50分に姿を見せた)

Img_4110_ag01 (滞りなく駒を並べ終え、定刻の9時を迎えた。深々と一礼する)

Img_4114_ag02 (少しの間を置いてから飛車先の歩を突く)

Img_4117_ag03 (対して△3四歩と角筋を開く。このあと序盤から早いペースで手が進んでいった)

(虹)

対局開始前後の様子(1)

Img_4040_a01 (記録係の村田智穂女流二段。最初に対局室入りして準備を進める)

Img_4036_a02 (立会人の中田功八段)

Img_4027_a03 (対局開始の合図をどうするかについてやりとりが行われた)

Img_4053_a04 (日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段は少し遠くから見守る)

Img_4051_a05 (日本女子プロ将棋協会理事の鹿野圭生女流二段)

(虹)

対局開始

Img_4075_a_sato (里見香奈女流王位)

Img_4089_a_kato (加藤桃子女流三段)

Img_4070_a_heya (対局開始前の様子)

(虹)

第2局は6月9日

里見香奈女流王位に加藤桃子女流三段が挑戦する第31期女流王位戦五番勝負。
4日前に行われた開幕局は穴熊崩しの端攻めに始まり、ねじり合いの末に里見香女流王位が先勝を決めました。勢いをそのままに連勝するのか、それとも加藤桃女流三段が流れを変えて指し分けに戻すのか。

第2局は6月9日(火)に大阪府大阪市「関西将棋会館」で行われます。主催は西日本新聞社です。先手は加藤桃女流三段。対局開始は9時。持ち時間は各4時間。昼食休憩は12時から13時、おやつは14時30分に出されます。立会人は中田功八段、記録係は村田智穂女流二段、観戦記執筆は藤本裕行さんがそれぞれ務めます。

インターネット中継は棋譜・コメントを翔記者、ブログを虹が担当致します。
どうぞよろしくお願い致します。

【主催:西日本新聞社】
https://www.nishinippon.co.jp/

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/31/joryu-oui202006090101.html

(虹)

2020年6月 5日 (金)

ご観戦ありがとうございました

以上で本局の中継を終了します。ご観戦ありがとうございました。

Dsc_15731 (里見香女流王位)

(睡蓮)

感想戦

Dsc_15561 (感想戦。中央は観戦記担当の鈴木宏彦さん)

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(睡蓮)

終局直後

Dsc_15141 (防衛に向けて幸先のよいスタートを切った里見香女流王位)

Dsc_15191 (敗れた加藤桃女流三段)

Dsc_15351 (勝者の里見香女流王位から主催者インタビューに応じる)

◆里見香女流王位の談話◆
――4月に予定されていた開幕が2ヶ月ほど延びての対局となりました。この2ヶ月をどのように過ごして、今日、盤の前に座りましたか?

里見香 対局の間隔がかなり空いていて、実戦感覚の面では不安はありましたが、準備の面では自分のペースで勉強できていました。 

――本局は先手中飛車から、かなり早い段階で端攻めに出ました。

里見香 1歩手に入ったので、攻めていってどうなのかなと。

――控室では、後手の△1四香(52手目)はうまい受けではないかという評判でした。この辺りはどのように感じていましたか?

里見香 全部の駒を使ったうえで端攻めができていたので、難しいながらも面白いのかなと思っていました。

――その後は後手もしぶとい受けで応戦してきました。

里見香 そうですね。すぐにはっきりよくする順が見つからなかったので、途中はちょっとおかしなところがあったかもしれません。難しいと思って指していました。

――△6七飛成(86手目)に▲3三角成といったところは随分華々しい切り合いでしたが、あの辺りはいかがでしたか?

里見香 ちょっといいのかなと思って、いきました。こちらへの有効な攻めが見当たらないかなと思っていたので。

――手応えを感じたのはどこでしょうか?

里見香 最後の最後ですね。▲2五銀(95手目)と打って、こちらに迫ってくる手がないのかなと。

――開幕直前には持ち時間4時間の将棋で全力を出したいと話していましたが、本局、久しぶりのタイトル戦はいかがでしたか?

里見香 途中の分岐点ではどちらを選ぶべきか微妙なところもありましたが、一手一手しっかり考えて指すことができたと思います。

Dsc_15471(続いて、加藤桃女流三段)

◆加藤桃女流三段の談話◆

――序盤は早いペースでの進行でした。最初にまとまった時間を使った△7四歩(38手目)までは想定の範囲内でしたか?

加藤桃 後手番になったら、里見さんのほうは中飛車をやってくると予想して、漠然とこんな感じかなと思っていました。△7四歩に21分使ったのは、作戦の分岐点かなと思ったので。……そうですね、ちょっと、研究範囲ではあったんですけど、自分の指したい手を優先してしまって。端を攻められたのが意表を突かれたというか、びっくりして。

――△1四香(51手目)や△3三桂(60手目)は、苦心がうかがえながらも加藤女流三段らしい柔軟な対応ではないかという控室の評判でした。ご自身では局面をどのように認識していましたか?

加藤桃 そうですね。確かに▲4五歩(50手目)が予想外だったので、△1四香で受けきれるのかなと思っていたんですが、実際によく考えてみると難しくて、本譜はあまり本意ではない指し方になって、支離滅裂になってしまいました。

――昼食休憩の前後は、難しいと思って指していたということですか?

加藤桃 昼食休憩の辺りは少しだけいいのかなと思っていましたが、うまい手を見つけることができなくて焦っていたというか。何か悪かったかなと思って、開き直って指していました。

――△6七飛成▲3三角成の辺りはどのように見ていましたか?

加藤桃 里見さんの▲4八金(81手目)がすごくいい手で、△1二歩(80手目)が悪手だったということを知って後悔していました。里見さんのほうから▲1二歩と垂らされるのを嫌って打ってしまったんですけど、もう少しほかの手を探さないといけませんでした。

――開幕前のインタビューでは、力いっぱい指したいと語っていました。第1局を終えて、いかがですか。

加藤桃 少し崩れたところで粘ることはできましたが、全体的に、魔法にかかってしまったような感じであっという間でした。

(睡蓮)

里見香女流王位が先勝

20200605b_4 五番勝負第1局は、図の局面までで里見香女流王位の勝ちとなりました。終局時刻は17時51分。消費時間は、▲里見香女流王位3時間16分、△加藤桃女流三段3時間50分。

(康太)

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