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17時36分、△3六桂に対して里見香女流王位が持ち駒の金を2七に打ちつけると、中村太七段から「か、堅い」と声が出ました。以下△4八桂成は、▲4三香成ではっきり先手勝ちです。▲2七金打は決め手に近いかもしれません。
(里見香女流王位)
(睡蓮)
図は17時15分頃の局面。加藤桃女流三段は、まとまった時間を投入して追いすがる術を模索しています。控室には日本将棋連盟会長の佐藤康光九段と同常務理事の清水市代女流七段が続けて来訪しました。
(中村太七段と継ぎ盤を挟む佐藤康九段)
(先手の里見香女流王位優勢という見立てに同意していた)
(しばらくして、「あれ? 会長いた」という言葉とともに清水女流七段の姿が。すぐに検討の輪に加わった)
図は16時45分頃の局面。控室の中村太七段は、先手優勢という見方になってきました。後手はここで先手玉に対して何かラッシュをかけられればよいですが、(1)△2四桂は▲2七玉で足りなさそう。また、(2)△4六角には構わず▲3三銀が厳しいようです。
(里見香女流王位が勝利に近づいていると思われる)
図は16時30分頃の局面です。後手が6四の飛車を6七に成ったのに対し、先手は7七の角で3三の銀を取って切り込んでいきました。「(少し前の段階では)もうちょっとじっくりした順もあったと思いますが、急に切り合いになりましたね」と中村太七段。△3三同金に▲2五桂や▲4五桂が厳しい手ですが、後手にもどこかで△2四桂や△4六角などから反撃する筋があります。一気に終盤戦に入りそうです。
(加藤桃女流三段)
15時50分頃、里見香女流王位が42分の熟考で▲1五香(図)と走りました。「勇気のある人ですね」と中村太七段。後手からいつでも△1六桂と打てる形になるだけに、しっかりとした読みの裏づけが必要な一手です。消費時間はともに2時間40分ほどと、ほぼ並びました。
15時20分頃、控室に木村一基王位が来訪しました。本日は免状への署名のために来館したそうです。現局面は、下図の△5三同銀まで。「展開が早いですね」といいながら継ぎ盤の前に座りました。
(木村王位。撮影のため、一時的にマスクを外してくれた)
(中村太七段と並んで検討)
図は14時50分頃の局面。中盤のねじり合いが続いています。基本的には先手が攻勢を取っていますが、後手も間隙を縫う形で△8八歩を打ち、攻め味を見せています。後手の穴熊の形は崩れたものの、先手玉のほうもどこかで△1六桂を打たれると安泰とはいえないので、まだまだいい勝負でしょうか。
14時30分、両対局者の控室に、午後のおやつとして「レアチーズケーキ」が出されました。
(レアチーズケーキ)
(撮影用のケーキは、中村太七段に食べてもらった)
再開の一手は△4六歩。休憩を挟んで30分の考慮となりました。しかし、金をかわす▲3七金に、加藤桃女流三段が再びまとまった時間を使っています。バランスの取り方に苦慮しているのかもしれません。
(控室には、斎田晴子女流五段が顔を見せている)
(再開直前の対局室。里見香女流王位は、12時45分頃に戻ってきた)
(12時50分まで盤の前で考え続けていた加藤桃女流三段は、再開から1分後に戻る)
(厳しい表情で考える加藤桃女流三段。着座後もすぐには指さなかった)
(午後の戦いはどのように展開していくか)