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2019年5月 8日 (水)

中井女流六段に聞く

――渡部女流王位との出会いを教えてください。

中井 2007年の第48期王位戦がホテル日航ノースランド帯広で行われて、そのときの指導対局で会ったのが初めてだったと思います。そのあとも北海道のイベントで何度か会ううちに、女流棋士を目指そうという話になりました。LPSA(日本女子プロ将棋協会)の女流棋士育成プログラムに入って、うちの研究室で将棋を指して。当時の愛ちゃんは北海道から東京まで通っていました。

――渡部女流王位は昨年タイトルを獲得しました。

中井 プロを目指していた頃から、「里見さんとタイトルを争えるようになりなさい」と話していました。里見さんは当時からホープでしたから。名前が「マナカナ」(※)という理由もありましたけど(笑)。昨年のタイトル獲得は驚きました。愛ちゃんも棋力が伸びていたので、獲ってもおかしくないとは思いましたが、それでも里見さんに勝つのは大変なことなので。

※タレントの三倉茉奈さんと三倉佳奈さんは「マナカナ」と呼ばれ、将棋を題材にしたドラマ「ふたりっ子」にも出演した。

――今後の女流棋士界には何を期待しますか。

中井 女流棋士がもっと増えて、男性棋士にも互角以上に戦えるようになるといいなと思います。里見さんも愛ちゃんも昨年度は男性棋士にたくさん勝ちました。そういう時代に入りつつあると思うと感慨深いです。

――木村九段についても教えてください。故・佐瀬勇次名誉九段門下の姉弟弟子ですね。木村九段は前夜祭で「頭が上がらない」と話していましたが。

中井 木村九段が小学2年生の頃から知っています。かわいかったですよ。私は「まるこめくん」と呼んでいました。私は当時、師匠の家で内弟子をしていました。木村九段は千葉に住んでいて、週末は東京の道場で将棋を指し、師匠の家に泊まってから千葉に帰るんです。師匠の家ではいつも「広恵ちゃん、将棋指して」と言ってきてね。私が2枚落ちの上手なのに、「教えて」ではなくて「指して」って。数えきれないくらい指して、手合いの差は短期間で縮まっていきました。

Dsc_8734(中井女流六段)

(牛蒡)

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